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「ニャ」
リョウタくんが突然膝から降りた。
「どうしたの？」
私から少し離れたところに座ってこちらを見る。
「ん？」
何かあったのかと気になり、見つめ返すが特に何も無い
と思ったが、その時、リョウタくんの目がこの前とは違い、赤く光った。
「え、青かったのに……リョウタくん、大丈夫…？」
「大丈夫だよ。姫、いやA……姫はこの姿初めてだもんね。あ、あの康二って奴もか。」
え、え、待ってさっきの猫……
リョウタくん？
え、人になってる…喋ってるんだけど！？
てか、なんで1回考えて姫に戻したの？
「えーっと、どうして人になってるの…ですか…？」
「姫が難しい顔してたから、何か助けられればと思ってね。初めて会った時も優しくしてもらったし、姫の雰囲気に癒されてるからね。姫こそ大丈夫？」
「え、あ、はい。なんとか……」
すごいちゃんと喋るじゃん。
ダメだ、ここに来てから情報量が多すぎる。
リョウタくん……人になれるの？
「あのー、リョウタくんは元々人だったり…？」
「うーん、これが難しいんだよね。ちょっと長くなるけど説明するよ。」
「はい……」
「まず渡辺家と宮舘家。翔太と俺との関係だね。この2つの家系はとても結び付きが強いんだ。姫は知らないと思うけど、翔太は神社の息子でね。その神社に狛犬のような役割で仕えていたのが俺、つまり宮舘家なんだ。まぁ、仕えているといっても上下関係はあまりないんだけどね。翔太と俺は幼なじみっていうのが1番近いかな。」
「じゃあ、元は人……？」
「そうかもね…猫にも人にもなれるからあんまり分からないんだけど。」
すごい、本でしか読んだことがない世界だな……
でも妖が視えるようになった以上、既に受け入れてしまっている。
「さっき目が赤くなったのはどうしてなんですか？」
「あぁ、普段は青いんだよ。渡辺家に仕えている関係性だからね。初めて会った時、翔太の指示で姫を動けないようにするって事だったから、目が青く光った。でも、人になる時だけ目が赤く光るんだ。さっきみたいにね。」
「そんなんですね……」
「姫、さっきから敬語になってるけど今までみたいでいいんだよ？」
「いや、なんか渡辺さんと同い年かぁって思ったら迂闊にタメ口は使えないなと思って……」
「そんなこと気にしなくていいのにな。まぁ、姫のペースで考えてみて？」
リョウタくん、どこまでも紳士だな……
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作者名：mariri | 作成日時：2023年3月18日 18時
