その時 ページ39
「準備終わった？」
「うん。」
「ほな、いこか。」
今日はお花見ついでに渡辺さんの神社にお参りに行くことになっている。
康二くん以外はもうそこにいるらしい。
あ、でも辰哉くんは仕事の都合上遅れてくるみたいだけど。
「楽しみだな〜渡辺さんの神社行くの初めてだし、お花見も久しぶりだから。」
「あーそっか、Aちゃんは初めてやもんな。綺麗な桜がいっぱい咲いてんで？」
「そうなんだ、早く見たいなぁ。」
「あ、そういえば今日阿部ちゃんも来るって言ってたで。」
「そうなの？忙しくないのかな…」
「阿部ちゃんなら仕事早いし大丈夫やろ。」
そういうことなの…？
「ほい、ついたで〜ってやけに静かやな。」
「ね、本当にみんないるんだよね……？」
「そのはずやで。とりあえず行ってみるか。」
静かだ。
怖いくらいに。
普段の様子からは想像がつかない。
「これ、大丈夫かな？」
「ドッキリとかちゃうよな。なんか怖なってきたわ。」
「いや、本当に。」
「うわ、めっちゃ電話来てる。なんやろ。」
「めめ？なんかあったん？めっちゃ電話かけてきてたけど。」
康二くんがかけ直すとすぐに出たようだ。
「康二！やっと出た……！今、お前の結界が壊れ始めてんだよ。」
慌てているその声は電話越しでもはっきりと聞き取れるくらいだった。
「は、壊れ始めてるってどういうことやねん。ていうかめめがまだそこにいるってことはふっかさんたちも一緒ってことやな？」
「うん、とにかく異常事態が起きてる。今一緒にいる子も連れて今すぐ本部に来て。」
めめ？誰だろう。その人も今日来る予定だったのか……
私のことは知ってるみたいだったし。
「あの、めめって誰なの？」
「あれ、聞いてない？しょっぴーの部署にいる俺の友達や。」
「あ、そうなんだ。」
「今、なんかやばいらしくてな、本部に行かなあかんねん。Aちゃんも来て貰ってええか？」
「うん。」
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作者名：mariri | 作成日時：2023年3月18日 18時
