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「さ!次はどこを行かれますか?…って申し訳ございません。調子に乗りました…」
"強さ"さえ得られば彼の隣にいても許される_その難しいが至ってシンプルな真実を改めて教えてもらえた。その事があまりにも嬉し過ぎて直哉様の前なのに素で喜んでしまった。
慌てて握っていた手を離し距離を取り謝罪する。
直哉様は何故かじっと自身の手を見つめた後背中を向け歩き出す。
禪「別にえーよ。気にしてへん。…はよ行くで」
「は、はい!」
そう言って彼は近くにあったベンチへ座り、不思議に思い首を傾げると無言で自分の横を指差す。
…座れということだろうか。
恐る恐る少し距離をあけ隣へ座る。
禪「なんか距離…まあええわ。歩くの疲れたし花ちゃんの話聞かせてや」
「え!?突然…ッわかりました!」
非難しようとすると睨まれたので断念。
どうしてこうも私の周りは強引な人が多いのか…。
というか何を話せばいいの?
初対面の人にそんな自分の話した事ないんだけど。
禪「はよ」
「そ、そうですね…あ!七海!」
突然無茶振りをされた挙句急かされるという理不尽なことこの上ない現象に冷や汗を掻いていると遠くに見知った人物が。
私に案内役を押しつけ逃げた七海だ。
突然横で大声を出されギョッとしている彼と面倒事に巻き込まれるといち早く察した七海はこちらを驚いた様子で見た後校舎の中へ素早く逃げて行った。
「あ!こら七海……っ!?」
グイッ
思わず立ち上がり追いかけようとすると手を強く引っ張られそちらを振り返ると何故か不機嫌そうな直哉様が。
禪「…随分仲ええんやな。呼び捨てやん」
「えっと…彼の名前は七海建人です。なので名字呼び、です」
禪「…」
取り敢えず間違いを訂正すると顔を真っ赤にして口元を隠していた。
「あ、あの直哉様…禪「直哉」
禪「直哉って呼び」
「それは流石に難しいですね…立場的に」
禪「は?俺の言う事聞けへんの?」
「じ、じゃあ直哉君はどうでしょう!」
禪「えー」
「同い年だし、ね!」
そう言って手を合わせると渋々といった様子で頷いてくれた。
禪「そのかわり敬語なしな。それならええよ」
「……うん」
なんて強引なんだ。流石御三家。
沸々と誰かを思い出させる。
でも何故突然こんなに態度が変わったのだろうか…
まじまじと見つめていると目が合う。
禪「友達ってこういう感じ、なんやろ?」
その言葉に目を見開く。
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プスメラウィッチ - とらこさん、この小説は渋谷事変編は、曲げ欲しいです。後五条悟を封印しないで欲しいです。お願い出来ますか? (2021年6月8日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!この作品は五条悟オチですよ!頑張ります!ありがとうございます! (2021年5月26日 19時) (レス) id: f672fafd61 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月26日 12時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - 華蝶-Rantyou-さん» ありがとうございます!頑張ります^ ^ (2021年5月7日 23時) (レス) id: 237713bcbc (このIDを非表示/違反報告)
華蝶-Rantyou-(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください^^* (2021年5月7日 22時) (レス) id: 0c2f4f76e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とらこ | 作成日時:2021年5月5日 21時