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五「今日は銀座で寿司食べよ」
「またそんな…回転寿司にしようよ」
五「久しぶりのデートだからいいじゃん」
予定の合わない日が続き今日はやっとむかえたデート当日。平静を装ってはいるが任務前もそわそわしすぎて七海に舌打ちされるくらいに私も楽しみにしていた。…報告書の件は申し訳ないけどね。
あれからいつも浮かべている上辺だけの笑みとは違い、悟もこの日を楽しみにしていたのが見てわかる。
(良かった、ちゃんと元気そう)
五《あ、もしもし?…》
寿司屋に予約を取ってくれている悟の隣を歩いていると視界の隅に花屋が入り立ち止まる。
表に出ている、決して派手ではないが白と水色の花に目を奪われる。
(綺麗)
気付いた時には花屋の方へ足が向かっていた。
五「ん。予約もとれたし行こっか………ってあれ」
横にいたはずのAがいない。
辺りの雑踏を見渡すも見つからなかった。
五「A?」
ドクドクと脈打つ心臓がやけに五月蝿い。身体中からどっと汗がふき出す。Aの事だ。また何か興味がある物を見つけてどこかにふらっと寄っているだけだ。
消えたわけじゃない。
だがもしも違ったら。
あの日の傑の後ろ姿がチラついて離れない。
____Aだけはダメだ。
五「くそ!どこに行ったんだよ!!」
「悟?」
サングラスを外しAの呪力を探そうと集中しようとした時突然呼ばれ振り向く。
そこには白と水色の淡い小さな花束を抱いたAがキョトンとした顔で立っていた。
脱力し動けない僕のそばに駆けて来て笑顔で花をつき出してくるAをただ見つめる。それだけでさっきまで嫌程出ていた汗が落ち着いていく。
「見て!綺麗だったから買っちゃった」
よく見るとその花の色はやけに見覚えがある。
五(僕の…色だ)
その花を愛おしそうに抱きしめるAを見て胸が苦しくなる僕の様子を見て首を傾げる。
「……悟?ごめんね、急に離れて」
五「……いやいい。いいんだ」
そっとAの頭を撫で手を握る。
離さないよう、縋るように。
少しだけまだ震えている僕の手にAは気付き、しっかりと握り返す。
五「?」
「私は離れないよ」
そう言ってまた優しく笑うAを見て固まった後また笑みを浮かべAの顔に近づく。
五「それ君が言う?」
「スミマセンデシタ」
五「冗談。ほら早く行くよ」
「うん!」
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プスメラウィッチ - とらこさん、この小説は渋谷事変編は、曲げ欲しいです。後五条悟を封印しないで欲しいです。お願い出来ますか? (2021年6月8日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!この作品は五条悟オチですよ!頑張ります!ありがとうございます! (2021年5月26日 19時) (レス) id: f672fafd61 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月26日 12時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - 華蝶-Rantyou-さん» ありがとうございます!頑張ります^ ^ (2021年5月7日 23時) (レス) id: 237713bcbc (このIDを非表示/違反報告)
華蝶-Rantyou-(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください^^* (2021年5月7日 22時) (レス) id: 0c2f4f76e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とらこ | 作成日時:2021年5月5日 21時