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その言葉に目を見開く。
(普段そんな事言わないのに、どうしてかなあ)
必死に上げてた口角が下がり唇を噛む。
悟先輩の真っ直ぐな優しい瞳を見ることができず視線は足元に下がる。
ぐいっと抱かれ、視界が黒に染まる。悟先輩の匂いに安心して瞳から涙が溢れていく。
ポツリポツリと言葉が紡がれる。
「…ごめんなさい。私が弱いばかりに色んな人に迷惑をかけました」
五「…うん」
「大切な人の命を失ってその苦しみから逃げようとしてしまいました。…本当に不甲斐ないです」
五「…でもさ、今Aはここにいるじゃん」
その言葉に息が止まる。
五「逃げようとしたけどそれでもまたここで灰原の分も苦しむ覚悟決めたんだろ?」
「…」
五「今お前がするべき事はしっかり泣いて、また進んでいく事じゃねえの?」
(そっか)
あのね雄
私さ、前に進むために今しっかり悲しむよ
だから
今はただ大好きな友達がいなくなったという現実を悲しませて
しっかり泣いたらまた前に向かって進むから
悟先輩の服を強く握りしめたまま私は泣き崩れた。
そんな私を先輩はただ強く抱きしめてくれた。
__
五(馬鹿なやつ、泣きたい時は泣きゃいいのに)
何か理由をつけないと泣けないのかよ
でもそんなところがお前らしいのかな
Aの呪力が異様な変動をしている。何をしたのかは大方検討がついている。灰原が受けたダメージを全て吸収して死すらも吸収しようとしたのだろう。
この様子だと傑が止めてくれたんだろうな。
あいつならきっと怒ってくれてるだろうから俺からはもう言わないでおく。次したらマジビンタだけどな。
人の死すら否定することができるか_Aの術式ならきっと可能だ。ただしその代償はおそらくAの命。
腕の中でずっと嗚咽をしているAを見つめる。
まさか呪力を底上げする度量があるとは思わなかった。傑が止めてくれていなければこいつは間違いなく死んでいた。
(マジで鎖でも繋げとこうかな)
そんな物騒な事を1人考えながら空を仰ぐ。
(ま、生きてるからいっか)
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プスメラウィッチ - とらこさん、この小説は渋谷事変編は、曲げ欲しいです。後五条悟を封印しないで欲しいです。お願い出来ますか? (2021年6月8日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!この作品は五条悟オチですよ!頑張ります!ありがとうございます! (2021年5月26日 19時) (レス) id: f672fafd61 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月26日 12時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - 華蝶-Rantyou-さん» ありがとうございます!頑張ります^ ^ (2021年5月7日 23時) (レス) id: 237713bcbc (このIDを非表示/違反報告)
華蝶-Rantyou-(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください^^* (2021年5月7日 22時) (レス) id: 0c2f4f76e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とらこ | 作成日時:2021年5月5日 21時