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悟がいなくなった後七海と2人きりになった。
いつも冷静な彼のこんな姿を見るのはこれで2度目になるだろうか、そんな事を考え自分を慕ってくれていた灰原の遺体を見下ろす。
ただ眠っているだけのように見えるがその身体には下半身はなく…まあ、でも呪術師の中ではよくある話だった。
夏(遺体が原型を留めているだけマシ、か)
夏「今はとにかく休め七海。任務は悟が引き継いだ」
七「……もうあの人1人で良くないですか?」
術師というマラソンゲーム
その果てにあるのが仲間の屍の山だったら?
少し前に特級呪術師の九十九さんに会った時に言われた言葉があれからずっと頭の中をまわっている。
_全人類が術師になれば呪いは生まれない_
"非術師を見下す自分 それを否定する自分 どちらを本音にするのかは君がこれから選択するんだよ"
夏(私は…)
バンッ
突然開かれた扉の方を見るとかろうじて立つAがいた。
私の方なんて目もくれずその視線の先には灰原がいる。
初めて見る彼女の暗く崩れそうな表情。
あぁ、いつも明るいAが泣いてしまう_そう思った時彼女の瞳が灰原の横で放心状態の七海がうつる。
一瞬瞳を大きく揺らし止まったと思えば唇をキツく噛み締めゆっくりと灰原に近付いて行く。
後ろに行き私のいた場所を明け渡す。
やっと目が合ったAはここで初めていつもと同じでどこか違う、そんな笑顔を向け会釈をしてきた。
「…雄、七海おかえりなさい。一緒に任務に行けなくてごめんなさい。私の分まで頑張ってくれたんだよね、本当にありがとう。ここから先は任せて。雄の分も私頑張るね。雄の分もしっかり苦しむよ。
お疲れ様。ゆっくり休んでね」
そう言って彼女はどこか哀しみを帯びた笑顔で優しく灰原の頭を撫でた。
夏(Aは強いな)
私はただその姿を見つめていた。
暫くそれが続いた後彼女は横で座っている七海の方へ行きそっと彼の手に自身の手を添える
「七海おかえり。疲れたと思うしゆっくり休んで」
七「…どうして責めないんですか」
七海はAの方を見ることなく、言葉を発する
「何故?理由がないじゃない。…怪我してるなら私が治すよ」
七「…ッ私は大した怪我をしていません。失礼します」
そう言って七海が立ち去った。
ここで彼女は一息つき笑顔でこちらに振り返る。
「夏油先輩もゆっくり休んでください。私はもう少し雄の傍にいたいので」
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プスメラウィッチ - とらこさん、この小説は渋谷事変編は、曲げ欲しいです。後五条悟を封印しないで欲しいです。お願い出来ますか? (2021年6月8日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!この作品は五条悟オチですよ!頑張ります!ありがとうございます! (2021年5月26日 19時) (レス) id: f672fafd61 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月26日 12時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
とらこ(プロフ) - 華蝶-Rantyou-さん» ありがとうございます!頑張ります^ ^ (2021年5月7日 23時) (レス) id: 237713bcbc (このIDを非表示/違反報告)
華蝶-Rantyou-(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください^^* (2021年5月7日 22時) (レス) id: 0c2f4f76e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とらこ | 作成日時:2021年5月5日 21時