遠い場所２ ページ2
your side
Q：好きな女性のタイプは？
Q：デートではどんなことをしたい？
Q：結婚願望はありますか？
劇場の誰も知らないんじゃないの？ってことについて
二人の文章が綴られていた。
こんなの、あたしも聞いたことない。
ところどころ、稲田さんがボケてるけど。
さすが女性誌、という感じ。
「(好きなタイプ……、)」
「えーっと？あ？『芯のある女性』？……おもんな！」
「うわあぁ！？」
「うるさっ」
「下ちゃん…！おどかさないで！」
「普通に戻ってきただけやんけ！
つーかこそこそ見んなや、お前」
私がめくっていた雑誌を指差す下ちゃん。
さっきの輪に入っていなかっただけに、
恥ずかしさと気まずさが込み上げる。
「だって、皆があんなに騒ぐから…！」
「ふーん？まあええけど」
雑誌をめくる下ちゃんは、早くゆず兄に会って、
とことんいじってやろうという顔をしてる。
「にしても、こーれはモテるでー」
「え？」
「こんなん、女しか読まんやろ」
「…うん、」
「やから、モテんねやろなーって」
そりゃそうだ。
女性誌に取り上げられてる時点で、
女性人気があるってことだから。
それは、人気があるってことで、嬉しいことで、
あたしらは
バシッ
「いてっ！」
雑誌の重みが頭にのしかかる。
「辛気臭い顔すんなや！シバくぞ！」
「してないし！てかもうシバいたじゃん！！！」
ぎゃーぎゃーと子どもみたい騒ぐあたし達は
いつもの劇場の風景に溶け込んでいた。
「ぶっ、お前さ…」
「なによ…」
「やっぱ無理があるで、諦めましたは」
「えっ、何？」
「いーや、別に(笑)」
相変わらず悪い顔をしている下ちゃんは置いといて、
少しだけ続きが気になる記事を、静かに閉じた。
「下ちゃんはさ、東京行くの？」
「は？なんやねん急に。別に今は考えてへんけど」
「そっか」
「でもまあ、行くときは行くやろ」
「そんなあっさり言わなくても…」
この先のことなんて、誰にもわからない。
皆この劇場から、いろんな夢をもって出て行くんだから。
下ちゃんらしい解答に苦笑いしながらも、変に納得した自分がいた。
そして、さっきの胸の痛みは何だったのかは、
深く考えないことにした。
東京でのテレビ収録の話が劇場に舞い込んできたのは、
そんな話をした数日後だった。
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の(プロフ) - ずっとずっと楽しみに待ってます！更新楽しみにしてます！！ (7月19日 23時) (
レス) @page3 id: b8a17933b6 (このIDを非表示/違反報告)
そらきち(プロフ) - Rainさん» Rainさん、ありがとうございます！そんなふうに思ってもらえて、めちゃくちゃ嬉しいです😭頑張ろうって思えます！これからもぜひ、見守ってください！よろしくお願いします😊 (2022年12月19日 0時) (レス) id: 729794252e (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すごく感動して一気に読み進めました。しゅじんこうと主人公の感情にとても共感できて号泣です😭これから2人はどうなっていくのかとても楽しみです！幸せになってくれるのを心から願っています。 (2022年12月14日 23時) (レス) @page3 id: 65c53c812f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらきち | 作成日時：2022年10月24日 23時
