都合の良い話１ ページ32
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「…んで、話って何？」
「うん、ごめん急に」
ジョーくんとの会話から数日。
しばらく考えて、健人と話をすることを決意した。
帰り道の途中にある公園に立ち寄って、ベンチに腰を下ろす。
健人がギターをおろすときに、
細い体でよくそれ担げるな、なんて関係ないことを考える。
『それは優しさやないと思うねん』
ジョーくんに言われた言葉。
別に、健人に対しての同情とか、優しさとかだと思って接していたわけじゃない。
ただ、気まずくなりたくないのはお互い様だから、
健人がそれを望むんなら、そうするのが最善だと思った。
二人にとって良い方法を…、と思っただけ。
でも、“二人にとっての良い方法”なんて、
聞こえはいいけど、結局は自分が楽なだけ。
健人の願いを聞き入れることで、自分の罪悪感を消していただけ。
そして、何で気づかなかったんだろう。
はっきりと答えをもらえないことの方がつらい、ってことに。
自分が一番、わかってるはずなのに。
おんなじこと、健人にやってた。
あの日答えをもらえなかった告白は、宙ぶらりんのまま。
そんな気持ち、健人にもさせちゃいけない。
「あたしね、色々考えてさ、」
「…」
「健人、やっぱり―――――」
「あーもー、何やねんー」
「？」
「フラれるん、俺」
髪をくしゃっとした健人が、ちらっとこっちに目を向けて
半ば諦めたような顔で笑う。
「…うん」
「はっきり言うなや(笑)」
「このまんまじゃダメだって気づいて…」
「…まあ、いずれはそう言われるとは思ってたわ」
「あたし、ずるいことしてた」
「いやいや、ちゃうやん」
「え？」
「ずるいのは、完全に俺の方やから」
健人は苦笑いする。
なぜかその姿に、切なくなる。
自分がこの状況をつくったのに、つくづく都合がいいと思う。
「Aが断らんってわかってて、今まで通りにしてほしいって言うた。
完全に俺のわがままやで」
「…」
「まあ、誰に何言われたか知らんけどさ、」
「え、」
「変な負い目感じんでええよ」
すごいな、健人は。
あたしが言いにくくないようにしてくれてる。
どこまでも優しい健人に、最近ゆるくなった涙腺がまたゆるみそうになって、きゅっと唇に力を入れた。
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そらきち(プロフ) - のさん» ありがとうございます😭そう言っていただけてほんとに嬉しいです…！励みになります！なかなか更新できずにいますが、お話はしっかりできてますので、お待ちください😊 (2022年10月1日 13時) (
レス) id: 729794252e (このIDを非表示/違反報告)
の(プロフ) - これからも楽しみに待っています！気長に更新頑張ってください！！ (2022年9月21日 21時) (レス) id: fbe940271f (このIDを非表示/違反報告)
そらきち(プロフ) - exさん» はじめまして〜温かいコメントありがとうございます(*^^*)嬉しいです…！！今はシリアスな感じですが、もっどかしい二人がどうなるのか…ぜひ見守ってくださいな^^ (2022年4月21日 22時) (レス) id: 3760b31582 (このIDを非表示/違反報告)
ex(プロフ) - 楽しみに読ませてもらってます！きゅんきゅんしてます🤤でもいまは少し苦しくなる話だけどいつかゆず兄と主人公ちゃんが幸せになるのを願ってます😭💓更新頑張ってください！楽しみにしてます！！❤️❤️❤️ (2022年4月20日 16時) (レス) @page6 id: 905bf9a542 (このIDを非表示/違反報告)
そらきち(プロフ) - おきゅらさん» はじめまして！なんと、、、一気読みありがとうございます…！そのお言葉に私も嬉しくて涙溢れそうです😭✨これからもよろしくおねがいします！ (2022年4月16日 18時) (レス) id: 729794252e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらきち | 作成日時：2021年2月18日 22時
