特別 ページ48
眩しい朝日も、鴉の鳴き声も、風に揺れる木の葉も、私の目の前で笑ってる土方さんも、今この瞬間に見える物全てが特別に思える。
それ程に彼が目覚めたという事実が嬉しくて、
私を思い出してくれたという事実が愛おしくて、
自分は世界一の幸せ者なんじゃないかと錯覚してしまうのだ。
更に幸せなのが、依然手は触れ合ったままで
当たり前のように会話は続いている。
土「帰って肩叩き券使わねェとなァ〜なんてしょうもねェ理由でのこのこと地獄に行きそびれた」
「こんなしょうもない紙切れで土方さんをこの世に呼び留めれるなら万々歳です。1000枚でも10000枚でも書きます」
土「ははっ。そうなりゃ爺になるまでくたばらずに済みそうだ」
「土方さんには「今の若いモンはよォ!」が口癖の老害ニコチン爺になって貰わなきゃ困ります。絶対爺になるまで生きて下さいね」
土「いや老害ニコチン爺って酷くね。ていうかAよぉ屯所住むようになってから口悪くなったよな?確実に野郎共の影響受けてんな?」
「そうなんですよ、最近の悩みです土方コノヤロー」
土「今のは確実に総悟の影響だね辞めようね今すぐ」
可笑しいけど爆笑したら怒られそうだから肩を震わせて我慢していると、頬を指で弾かれた。
穏やかな時間だ。昨日まで彼が生死の境をさ迷ってたなんて嘘みたい。
土方さんの右手を取って、長い指をじろじろと見たり、
マメが潰れた跡や 硬くなった皮を触ってみる。
「それにしても土方さんの手はごつごつですねぇ」
土「まァな」
「たっくさん刀振られたのが伝わります」
今度は私の左手を取られて土方さんがじろりと見てる。
面白そうにぷにぷにと摘んだり、掌を合わせてみたりして、
何やら遊んでる。
土「Aの手小っせェ。餓鬼みてェ」
「酷いですよ」
土「あれ。可愛いって意味なんだけど」
「女心分からなすぎじゃありませんか」
もぉ〜これだから芋侍は〜〜、と眉毛を下げて言えばぽかりと頭を叩かれた。
くすくすと笑い合っていれば土方さんは突然、顔を歪めた。
「大丈夫ですか?!」
土「あー、大丈夫大丈夫。笑ったら背中に激痛来た」
「早く横になって下さい。心配なっちゃいます」
土「問題ねェっての。大怪我とか慣れたし。慣れたかねェけども」
…いやはや慣れとは恐ろしい。
痛みに顔を歪める土方さんを見ていると、私まで辛くなってしまう。
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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時