買収 ページ32
買収か。こりゃ警察のやっていいことじゃないな。
「お主も悪よのぅ」
沖「いえいえ。お代官様程では」
悪代官ノリ。便利。
彼は歳が近いこともあって話しやすい。
沖「屯所での生活はどうでィ」
「楽しいです。すっごく楽しいです」
沖「同じことしか言ってねェぞ」
確かに反復法が過ぎた。でも実際楽しくて仕方ない。
土方さんは優しいし近藤さんは暖かいし沖田さんは話しやすいし。
沖「屯所に女が住むってのァ初めてでねェ。
最近野郎共の士気も上がってんだ」
「え、初めてなんですか」
沖「当たり前だ。アンタ超特例」
今までにも何人か拾ったことあるのかと思ってた…。
私が初の超特例…嬉しいかも。
沖「それだけ土方さんにとってAは面倒見たい対象ってこった。色々思うところもあるんだろうな」
「私土方さんに何も返せてないんです。面倒見てもらってばっかりで…」
沖「A、悩みってのァなんで存在するか知ってるか?」
「何でだろう?分かんないです」
沖「そりゃ悩みの原因があるからでィ。つまり原因を断っちまえば悩みはなくなる。土方を殺せばアンタの悩みは晴れてなくなるぜ。俺もAの悩み解消する為に一肌脱ぐぜ」
なんだそのアドバイス。いやサドバイス。
「却下に決まってるじゃないですか」
沖「チッ。話の分からねェ奴だ」
ムスッとしたのも束の間、
彼は可愛い目を私に向けた。
沖「まぁ、返す返さねェなんてあの鬼は気にしねェだろうよ。
そりゃアンタが心配するだけ無駄な悩みでィ」
私の悩みを一刀両断。
気にしなくていいよ!なんかじゃなくて 心配するだけ無駄。
言い方ストレートすぎか、なんて面白くなってくる。
沖「何笑ってんだ」
「いや、沖田さんに相談するの良いですね。悩みが気にならなくなる」
沖「そりゃ良かった。歳近いもん同士何でも相談しなせェ」
「で、私から引き出した情報で土方さん暗殺計画をより綿密に立てるつもりなんでしょ」
沖「バレてやがる」
沖田さんに奢ってもらった団子3本全て食べ切ると、
彼は立ち上がり思い切り伸びをした。
沖「そろそろ帰るか。車あるから乗りな」
私が食べ終わるまで待っててくれたんだ。
しかも大量のマヨネーズ持ってくれてるし。
私の周り優しい人しかいない。そんな喜びをひしひしと感じる。
緩む頬を両手で抑えて先に歩き出した沖田さんの背中を追うのだった。
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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時