限界 ページ2
家が無いから住所が無い。
住所が無いと仕事に就けない。
仕事が無いとお金が無い。
お金が無いと腹が減る。
あの日から1ヶ月は経ったろうか。
最後に食べたご飯は…あんぱんだったっけ。
それももう1週間も前の話。
倒れそうになる身体に鞭打ち何とか歩みを進める。
「さすがに限界…」
ふらつく体を支えるために壁に手を着いた。
顔を上げると壁に貼ってある指名手配犯の人相書きと目が合う。
…桂小太郎。過激派攘夷浪士。ペットの天人が目印。
へぇ、なんて気にも止めず横の人相書きを見ると、なんと女だった。
氏名不詳。ここ最近頻発する通り魔の犯人らしい。
その隣を見るとこれまた女の人相書き。
この人は銀行強盗やってのけたんだ。
じゃあお金いっぱいあるのか羨まし〜なんて情けない事を思ってしまう始末。
こちらも都合の良いことに氏名不詳。
この時、良からぬことを思いついたのは空腹の限界だったからだろうか。
それともこの人生をもう諦めていたからなのだろうか。
恐らく両方だ。
住所無し仕事無し金無し学歴無し、
そんな負の無限ループから脱する手段なんてもう限られている。
「…一か八か…」
そっと呟いて人相書きを2枚ビリッと剥がした。
身体に残る力を振り絞り、真選組屯所へと足を向けるのであった。
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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時