一 石 二 鳥 彼 氏 【坂田銀時】

一石二十一鳥 ページ22

30万円で雇いました。なんて言えない。

どうしよう…と、2人で顔を見合わせる。



銀「合コンで知り合いまして…。」

母「合コン？この子が？」

「そっ。友達の人数合わせで嫌々連れてかれたの。」

母「あぁ〜そういうことね。」



よし、誤魔化せた。

次はどんな質問が来るんだ…と身構えていたけど、



母「あ〜…まだまだ話したいけどもう行かないと…。」

「何？予定あるの？」

母「小栗旬之助のトークショーあるの。良いでしょ。」

「良いねぇ。楽しんできて。」

母「ありがとね。Aたまには連絡よこしなさいよ。」

「はーい。気が向いたらね。」

母「どうせその気は一生起きないんでしょ。
じゃ、バイバイ。」

「うわ、バレてる。うん、じゃぁね。…気をつけてよ。」



松田には母の顔も割れてる。

同じ江戸にいるのは不安になる。



母「アンタが心配してくるなんてこりゃ雨降るな。
坂田さん、また3人でご飯でも行きましょうね！」

銀「はい。お母さん お気をつけて。」



ばいばーいと手を振り去っていく母。

いっきに肩の力が抜けてく。



「あー疲れた。」

銀「聞いてた通り勢いのすげぇ母ちゃんだったな。
左肩外れるかと思ったぜ。」



母にバシバシと叩かれ続けた肩を擦りながら困り眉でこちらを見ている銀さん。



「でしょ。でも男前だって、良かったね。」

銀「あの母ちゃん見る目あるわ。」

「いや、ないでしょ。」

銀「んだと、コラ。銀さんは男前だろうよ。ホラ。」



そう言って顔をこちらに向けてくる。



「あ〜団子美味しかった。じゃ行こっか。」

銀「おめっ！話そらすんじゃねェエ！」



叫んでる銀さんを放って歩き出した。


本当は男前だと思ってるけど、今は言わないでおこう。

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