カフェ兼愚痴屋さん。[HxH]

13 ページ14

よし、いつも通り気合い入れてお仕事…ではなく、
今日はカフェ自体を閉店している。


それなりに予約などが来てたのをキャンセルしてしまい申し訳ないが、今日は個人的な用事があるのだ。





飛行船に乗って、空を眺めていると携帯が鳴っているのに気付いた。
『非通知』と書かれていて、とりあえず出てみることにした。




「こちらカフェ［ルトー］でございます。何かご用ですか」







『Aさん。相変わらずで何よりです』





優しく囁くような男性の声。この人は、







「ウイングさんですか？」






『ええ。お久しぶりですね』








私の数少ない本好き仲間の内の一人である。
この人の読んでる本はマニアックで凄く好みなのだ。よく珈琲代と引き換えに貸してもらっている。







「ま、まさか新しい本が手に入ったのですか？」



少し期待も込めてそういった。
すると彼が




『それもなんですが、予約がしたくて』





直ぐにバッグに入れたメモ帳の〈予約一覧〉を開いた。一応持ってきてよかったな。





「いつ頃を希望ですか？」




やった。すごい楽しみ。本早く読みたい。




『あ、その実は』





今日が良くて、という言葉が聞こえた時、
希望から絶望に変わった。




『ゆっくり話したいなって思って…Aさん？』






「…いません」



え、 ウイングさんのそういう顔が浮かぶ。





「今ヨークシン行くために飛行船思い切り乗ってます」








『ヨ、ヨークシンシティですか！？』




僕のいる所と真逆ですよ…とショック受けてるウイングさん。





「真逆？ではどこに？」






『今天空闘技場に弟子と来ていまして』







あれ、ヒソカさんが行っていた所では？
まあとにかく今日はごめんなさい、と謝っておいた。




ああもう、本の代償は大きいですよ…私をここまで連れてきた





。







。







。




クロロ=ルシルフルさん。

14→←12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す