ちくしょー、オッパが好きすぎる。：ｔｈ (ページ45)

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45:「故郷」ページ45

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いつもどおり薄くメイクを施して

いつもどおりただのパーカーとジーンズに着替えて

いつもどおりの香水を身にまとって

いつもどおり靴を履くと

少しいつもとは違う感情がふとこみ上げてきた

あぁ私怖いんだろうなぁ、

親に会うのが怖いというのもおかしな話だけど

それほどもう数年顔を合わせていないわけで。

ナーバスな気持ちが足取りを遅めたおかげで

このままじゃ待ち合わせぎりぎりになりそうだ

小走りで駅まで行くとまだオッパはいなかった

とりあえず息と髪を整えて、

テヒョンオッパの姿をキョロキョロと探す。

あ、いた、不審者コーデ健在だわ(自分もな)

『A！！！』

私に気付いたオッパが馬鹿でかい声で名前を呼ぶから

急いでオッパの元へ駆け寄った。

「オッパ、今日はごめ…『なんで?なんで謝るのさ～笑』いや、なんでって…」

ついてきてくれたのにもしかしたら最悪な状況になるかもしれないから。

、そう言おうとしたけど違う、謝るんじゃなくて

「来てくれて、ありがとう」

『ヒヒッ、俺が頼んだんだから！！むしろ嬉しいんだよ？』

「そっか笑…､じゃ行こう」

うん、と大きく頷いたオッパは黙って大きな手を絡めてきた

ほんっとにペンにバレても私は知らないよ？？←

実家に向かう電車に乗ると

今まで忘れていた記憶まで何故か思い出してきた。

すべてが悪い思い出じゃなかった

家族と花見をした公園、

友達と寄り道したファストフード店、

今なら故郷のあたたかさを素直に感じることが出来る

、そんな私の想いが伝わったのか

電車から降りるとオッパは

『いいとこだね、なんてゆーかあったかい笑』

と両手を広げて空気を吸い込んだ

「、意味わかんないし笑」

同じことを考えていたのがなぜか照れくさくて否定してしまう

だけどオッパはまた笑って

『ほーら行こうよ早く！！どっち！？右！？左！？』

と声も動きも相変わらず馬鹿でかい。

久しぶりに歩く駅からの家路も普通に覚えていて、

あっという間に家の前に着いてしまった

オッパと顔を見合わせてインターホンをゆっくりと押す。

「はい、何の御用で……A？」

久々に聞く父の声は少し渋くなっていた

「ただいま、お父さん」