17:「誤解」 ページ17
久しぶりに宿舎に来たというのに気分は下がっていく一方で、
オッパの部屋に入ってからも沈黙が続く。
………何か言わなきゃ、だ、よね
「オッパ、あのさ」
『………、どしたのいきなりㅋㅋ』
あれ、意外と普通……?
いつもどおりなオッパに少し疑問を抱く。
「いや、その………朝の報道とか見たかなぁ……て思って」
見てないはずがないけど。
オッパはスマホ人間ですし。←
『うん、見たけど』
「だよね、一応言っとくけどあれ嘘だか『もう、いいよ』え、」
『だから、もういいって……言い訳とか。』
さっきのさっきまでヘラヘラ笑ってたはずなのに
今私に向けている目はゾッとするほど冷たかった。
「オッパ！違うって、ジョンハニオッパは…」
『オッパって呼んでるじゃん、しかもあの写真なに?』
写真……?
本当に知らなくて固まった私を見たオッパは
自分のスマホの画面を差し出してきた。
『なんで、"チュー"してるの』
ホントに身に覚えがなくて言葉が出なかった。
『ｯ、とぼけんなよ……』
怒りのような、悲しみのようなそんな顔をしたオッパに
本当の事を言いたくて…でも言えない臆病な自分に腹が立つ。
「お願い、信じて、オッパ。」
『信じてたからこそ、苦しいんじゃん』
「え……」
『信じてたから、本当に好きだからこそ辛いんだよｯ!?』
感情的に話すオッパを見るのは初めてかもしれない。
ごめんなさい、言いたくないんだよ、兄の事なんか。
きっとオッパは私が嫌いになる
「ごめんなさい、でも好きなのはテヒョンオッパだけなんだよ」
『それも嘘?ホントは名誉の為に俺と付き合ってるとかじゃないの?ㅋ』
バッチーーーン
静かな空間に乾いた音だけが響いた。
『痛っ…図星だった……?』
呆れた。有り得ない。
「名誉の為?笑わせないで、そんな馬鹿な事考えてたの?」
『大体Aも他の人と同じで俺の立場と顔が理由でしょ?』
もう、なんでこうなったんだろうか。
これ以上今のオッパと喋りたくなくて
「もういい!さようならｯ!!」
そう叫んで部屋を出た。
それでも私を追って来る様子がない事に失望して玄関に向かった。
出ようとした時背後に気配を感じた。
『A…大丈夫?』
「ｯｯ、どーしたらいい?…グク…」
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作者名：きむ:) | 作成日時：2016年8月23日 23時
