短編小説集 (ページ17)

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移動教室((続きページ17

地学は1週間に2回。
水曜日と金曜日

今日は金曜日
今週、最後の地学

私は水曜日と同じように自分のイスに座った

「あのさ！」

ペンを拾ってくれた男子が話しかけて来た

『はいっ』

「こないだのノート、時間足りなくて全部写しきれなかったんだよね
だから、見せてくれない？」

『あ、はいっ！どーぞ。』

「ありがと♪」

一生懸命ノートを写している姿を私はただ黙って眺めていた

「ありがとうA！おかげで助かった！！」

『え？なんで名前…』

教えて無いのに…

「だってほら！ノートに書いてあるからっ」

『あ、そっか笑』

「俺は矢部昌暉。昌暉でいいよ！」

『うん、わかった！』

なんか話してて楽しいな。
そんな余韻に浸りながら授業を受けていたらノートからあるメモが出てきた。

"もう筆箱落とすなよ！？笑
昌暉"

『なにこれ…笑』

私は思わず笑ってしまった
それに気づいた昌暉がこっちを見てニコッと笑う

それをきっかけに私と昌暉は仲良くなった
私はいつの間にか毎週水曜日と金曜日の地学の時間が楽しみで仕方がなくなっていた

そんな関係のまま半年が過ぎようとしていたある日…

授業が終わり、教室に戻ろうとしていたとき

「A！！」

『ん？？どーしたの？』

「ちょっと話しあるんだけどいい？」

『別にいいけど！？』

《A、じゃあ私は先に教室戻ってるね！》

「あ、ごめんねみなっ！！」

《はいは～い♪》

そう言ってみなは教室に戻った

「ごめんな？急に」

『いや、それは大丈夫だけど…』

少しの沈黙があった後

「俺さ、なんかお前のこと好き…みたいなんだよね」

『え？？』

「びっくりだよな笑俺もだよ。でもAといると楽しいしもっと一緒にいたい。俺が守ってやりたいって思うんだよ。」

『うん』

「A？」

『なに！？』

「俺と付き合ってくれない？」

『私でいいの…？』

「だから、Aがいいからこうやって告白してんじゃん！」

『私も…昌暉のこと好きだよ』

昌暉は照れ笑いをしながら下を向いた。

「なんか照れるなっ」

「うん…//」

昌暉の彼女になれる。
それだけで私はすごくすごく嬉しかった