【刀剣乱舞】ブラック本丸にて好きにやれって言ったら滅茶苦茶命狙われた(´･ω･`)幕間！ (ページ19)

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【番外編】弟が見てて思い付いたページ19

仲間たちに指示を飛ばし、刀を振るって敵を薙ぐ少女の姿は、まさしく『将』。
鬼神が如きその力を持ってして瞬く間にこの戦場を収めてしまう彼女は、紛れもなく『天賦の才』を与えられし者。
無論、そこに努力がなかった訳ではない。
しかしながら、戦闘に長けた男士たちと肩を並べるなど、並大抵のことではない。

一体、誰が鳴らしたのだろうか。
チンッ…という刀を納める小さな音に、その顔に不釣り合いなほど大きな眼鏡をかけた少年を筆頭とした『現代(いま)』を生きる者たちがハッとする。
我に返って辺りを見渡してみても、先程まで武器を振り回していたはずの、あの骸を被ったような異形の者たちはいなかった。
ただそこに折れてしまった刀の残骸が転がっているだけであった。

「……ごめんな。どうか、安らかに」

懺悔のような少女の声を、一体何人の人間(・・)が聞いたのだろう。
町を包む霧に溶けてしまった少女のその言葉の真意を問う者は、いない。

「…ッチ！こんのすけ」

「お呼びでしょうか、審神者様！」

周囲を、探るような鋭い目で見ていた少女が、大きな舌打ちと共に呼び出した管狐。
ドロン、と大きな音を立てて煙と共にやってきたそれは慣れたように少女の肩に着地した。
派手な隈取りに覆われた顔を少女に向けてふかふかの尻尾を揺らす彼に、少女はほんの一瞬だけ微笑んだ。

「政府に緊急要請だ。この町に結構な数が潜んでやがる。
うちだけじゃ荷が重い…つか、なんで私達がやらにゃならん。
他に回せ。二十もあれば十分だろ。
それから、本丸にも連絡を。
第二、第三部隊もいつでも出陣できるように言ってくれ。
連隊戦も視野に入れておかないと死ぬ」

「かしこまりました！
政府の皆様に労働の催促と、本丸の皆様に出陣準備のお願いですね！」

「…後半は良いけど、前半は突っ込ませて？
その言い方だと、また私への当たりが強くなりそうなんだけど」

「事実でございますから！
彼奴(きゃつ)めらが職務を怠慢せねば、審神者様直々に出陣する必要などございませんでしたので！」

「君、なんでそんなんなっちゃったの…。
最初はもっと、こう…政府のこと悪し様には言わんかったでしょ」

「なんかもう、擁護する価値が見出せなくなりました！」

「あっそう……」

管狐の元気な声に、少女はげんなりとした顔をして笑った。