【番外編】弟が見てて思い付いた ページ3
いや、落ち着くんだ、私。
まずは状況を整理しよう。
私たちは宣言通り、この辺りの地形を知るべくこの米花町をぶらぶら歩いていた。
それも、表通りはもちろん、怪しげな路地裏や倉庫街まで全部。
地図なんか見ずにぶーらぶらと歩いていると、突然、足元に大きな影ができた。
段々と小さくなるそれに、「あっ、なんか落ちてきてる。危ねえから端寄っとこ」と端に移動した直後、目の前に死体が落ちて来ました。
うん、わけわからん。
一言だけ言わせてもらうならば、ど う し て こ う な っ た ?
Aさん、マジで分かんねえ。
あまりの突然さに、ボケーっと死体を眺めること数分。
どうやら警察がやってきたらしく、辺りが騒がしくなり始めた。
いや、警察来んの、早すぎね?
てーか、誰が通報したん?
私?もちろん違うわバカヤロウ。
「すみません。ちょっとお話しよろしいですかね?」
A「すいません。ちょっとよろしくありませんね」
サスペンスドラマに出てくるような鑑識やら刑事やらが続々と集まり、そうしてあっという間に立ち入り禁止テープが貼られる。
その様すらぼんやりと眺める私の前に、でっぷりとした茶色のトレンチコート(?)に同色の帽子で口ひげをたっぷりと蓄えた刑事らしき人が警察手帳と思しきものを見せながら、緊張した面持ちで声をかけてきた。
そんな刑事らしき人に反射で答えてしまえば、目の前の人はピクリと眉を動かす。
アッごめんなさい犯人とかじゃないんです人間嫌いが咄嗟に出てきただけなんです。
なんて言い訳を口には出さず、心の中で息継ぎなしで言う。
いや、口に出さんと意味ないじゃん。
焔「悪りぃな、刑事さん。コイツ、目の前に死体なんぞが落っこって来ちまったもんだから動揺しちまってんだ。
今のは協力しねえって意味じゃなくて『今、しっかり話せる気がしないので待ってください』って意味なんだわ」
私と刑事らしき人が見つめ合うという、なんとも奇妙な空気の中、間に入ってくれた焔がそんな言い訳をしてくれる。
ありがとう、焔!
さすが私の相棒だよ、お前は!!
そして、焔が前に出る代わりとでも言うように、私は行安の手によって後ろに下げられた。
というか、行安に抱っこされた。
こう……片腕に私を乗っけるような形での抱っこ…すなわち、幼児抱っこってやつ。
……私は園児か何かかな!?
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