手入れ道具って結構重いんだね ページ9
刀を構えられた為に、両手を挙げる。
どう考えても条件反射だ。
パッと手を挙げると同時に持っていた手入れ道具一式を離してしまう。
それは重力に従って落下し、見事に私の足の上に着地した。
「ッ〜〜〜〜〜〜〜〜！！！」
しゃがみ込み、自身の足を抑える。
そして、あまりの痛さに悶絶した。
「もー……何なの？朝からずっとさ……。
絶対、今日は厄日だよ。
私まだ厄年じゃない筈なのに……。
この仕打ちは一体何なんだよ……。」
グチグチと文句を言ってると、不意にカチャリ、と頭上で音がした。
しゃがみ込んだ私の視界に入る、折れそうな細い脚。
恐る恐る顔を上げると、目の前には刃先。
だけど、それもボロボロでちゃんと斬れなさそうだ。
「何の用ですか？人間。
これ以上お小夜に手出しはさせませんよ。」
怒りと憎悪に塗れた、それでいて奥深くに見える恐怖。
目の前に切っ先を向けるかれの瞳からは、それらが感じられた。
その瞳が、傷だらけのその身体が、顔が、全てが痛々しくて、居ても立ってもいられなくなった。
気付けば私は左手で刀をがっしり掴んでた。
「なっ何を…！？」
「手入れさせろ。つか、するぞ。」
「は！？」
私は立ち上がって目の前の彼にずいっと顔を近付ける。
「宗三左文字……お前とお前の兄弟の手入れさせろ。」
「馬鹿な事言わないでください！！
信じられる訳無いでしょう！？」
「そうか。信じられないなら、信じなくて良い。
私が勝手にお前達を手入れする。」
私は左手を離し、こんのすけに貰った襷で止血する。
そのまま手入れ道具を拾い上げて部屋の中に入る。
「入らないでください！！」
宗三左文字が振り回した刀は私の肩に命中して、そこから血が流れる。
無視して足を動かすと、今度は江雪左文字からの攻撃。
脇腹に当たった。
兎に角、私の頭の中は苛つきと悲しみと…何か色んな感情が混ざり合ってて痛みとか気にしてる暇がなかった。
横たわる小夜左文字の側に座り、置いてあった短刀を手にして、手入れ道具の入った箱を開ける。
「……斬りたいなら斬れば？」
背後から殺気をバンバン飛ばす彼らに声をかける。
「まぁ、斬られた所で私は止めないけどね。」
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鋼夜(プロフ) - Loveasu42211さん» 申し訳ありません。 自分でも読み返してそう思いまして……。 二章から誰が喋っているのか明記するようにしました。 文字数の関係上、こちらはこのままになってます。 すみません……。 (2017年7月26日 15時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
Loveasu42211(プロフ) - 誰が喋っているか分かりません (2017年7月26日 14時) (レス) id: edb9424f8f (このIDを非表示/違反報告)
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