年寄りの話は長い((( ページ44
自身の持っていた刀を刃を剥き出しのまま放り投げ、主犯の男のすぐ側に突き刺した。
そのまま付喪神は
「うるっせぇんだよ、餓鬼共ォ……こちとら朝方まで歩き回ってたんだ。
俺の眠りを妨げるんじゃねェよ！！」
とかなんとか喚いて刀を振り回しての。
あの子に嫌がらせをしていた輩を追い払ってしもうた。
あの子は呆然とそれを見ていたが、そのまま鞄の中から予備の服を取り出して着、付喪神に礼を言って帰った。
次の日、あの子は付喪神への礼に菓子を持って来ての。
それを置いて帰ってしまった。
日中、また何処かへ行っていた付喪神が帰って来た時にその菓子を渡したらの、要らぬと言われてしもうた。
じゃが、半ば強引に押し付けたらちゃぁんと食っておったわ。
それが酷く微笑ましくての。
しかも、律儀に本人に礼を言うもんだから腹を抱えて笑ってしもうたわ。
それからあの子は付喪神に会えるのを楽しみにしておったらしくての。
毎日、付喪神を見つけては嬉しそうに話しかける姿のなんと愛おしい事か。
また笑顔を見れたと嬉しくなる反面、付喪神が羨ましくもあった。
ずっと見守っていた妾では無く、付喪神に笑顔を向けているのだからの。
だが、笑って付喪神に話しかけるあの子の姿を見るのは幸せだった。
気付けばもう何年も時が過ぎていた。
ちとばかり用事があった妾はその日、社を留守にした。
夜中に帰ってみれば、何故かあの子が社の中で寝ておった。
付喪神に何かあったのかと問えば、
「親と喧嘩して家出したんだと」
と答えた。
そして、あの子を家に送ると言う付喪神に術を施し、人間に化けさせた。
あの子を無事に送り届けて帰って来た付喪神はそのままいつものように屋根に登って寝ようとしていた。
妾も屋根に登って、付喪神に礼を言った。
あの子が笑うようになった事もそうだが、家出等という思い切った行動はまずしない子だったからの。
成長を感じた。
妾が礼を言えば、付喪神はきょとん、として
「俺ァ何もしてねェ…そもそも、彼奴が俺に話しかけて来たのも、お前がいたからだ。」
と寝転がったまま、言いおった。
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鋼夜(プロフ) - Loveasu42211さん» 申し訳ありません。 自分でも読み返してそう思いまして……。 二章から誰が喋っているのか明記するようにしました。 文字数の関係上、こちらはこのままになってます。 すみません……。 (2017年7月26日 15時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
Loveasu42211(プロフ) - 誰が喋っているか分かりません (2017年7月26日 14時) (レス) id: edb9424f8f (このIDを非表示/違反報告)
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