殺さなくとも ページ41
サイド無し
その後、夕餉の時間だと呼びに来た加州によってその話は一時中断となった。
村正と惺蓮の存在は予め、行安が伝えていた為に2人の食事も用意されていた。
尤も、Aに憑いているという惺蓮の事は『村正の知り合い』とだけ伝えてあるのだが…。
その後、大広間にて夕餉を食べ始めた。
重傷だった者が回復し、皆で食べるようになって随分和やかになったものの、まだ少し重苦しい中、関心は村正と惺蓮の2人に注がれていた。
初代が姿を消したと同時にふらりと消えてしまった村正。
そしてその村正の知り合いという女性。
「今まで何処にいたのか」
「何をしていたのか」
「水神である彼女と何処で知り合ったのか」
などなど、様々な質問が村正に投げかけられるが、村正本人は気怠そうに適当に相槌を打つ。
「まさかとは思うけど、恋仲かぁ？」
ニヤニヤと揶揄う和泉守の一言に、今まで面倒そうな表情の村正が反応した。
ただ一言、
「あ゛？」
とだけ。
対する惺蓮は袖で口元を隠して微笑む。
ただし、目は全く笑っていないが……。
「妾がこの様な野蛮人、相手にする訳無かろうて。」
「その猫撫で声やめろ、ババア。
自分の歳考えろ。」
目に見えて不機嫌になった村正と、怒気を孕んだ優しげな声で話す惺蓮に、和泉守は小さく「すいません…」と謝った。
「そういえばさー、俺、聞いちゃったんだけど、あの審神者って呪われてるんだって？」
話題を変える様に態とらしく大きな声で話すのは、加州清光。
彼の言葉に大広間にいた全員が反応する。
「加州、それはどういう事だ？」
鋭い眼光で先程までAと共にいた者を睨みながら、三日月が問う。
それに対して待ってましたとばかりに笑う加州の瞳は酷く濁っていた。
「さっき惺蓮さん、話してたよね？
傷口から霊力が流れ出ちゃうんでしょ？
ならさ、殺さなくたって傷付けるだけであの人間、死ぬんじゃない？」
嬉々として話す加州に箸を置いた惺蓮が溜息混じりに口を開く。
「あの子の家系はのぅ…妾を祀る神社の神主の娘じゃ。
丁度良い。ちとこの老いぼれの見て来た昔話でも聞いてはくれないか？」
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鋼夜(プロフ) - Loveasu42211さん» 申し訳ありません。 自分でも読み返してそう思いまして……。 二章から誰が喋っているのか明記するようにしました。 文字数の関係上、こちらはこのままになってます。 すみません……。 (2017年7月26日 15時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
Loveasu42211(プロフ) - 誰が喋っているか分かりません (2017年7月26日 14時) (レス) id: edb9424f8f (このIDを非表示/違反報告)
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