怪しさ満点の登場です☆ ページ39
薬研サイド
「Aも寝たし………出て来いよ、
突如、村正の旦那が何も無い空間に呼びかける。
終いには畳に呼びかけるように、パタパタと叩いて「早くしろー」なんて言ってる。
「どうしたんですか？村正。
遂には頭の螺子が飛びました？」
「巫山戯んな。テメェと一緒にすんじゃねェよ、ド天然。」
苛立ちを隠しもしない旦那の声に懐かしさを感じる。
村正の旦那は何故か振り回され易い。
毎日のように聞こえるこの苛立った声が聞こえなくなると、結構寂しかったりする。
パタパタと叩いているのが、バタバタとなり、ドンドンとなった頃に流石に口を開こうとする。
何せ、この本丸は本当にボロボロだ。
いつ床が抜けるか分かったもんじゃない。
「なぁ、旦那…………」
ぴちゃん
「……水音？」
「雨漏りでもしているのでしょうか？」
「…兄様、外、雨降ってないよ。」
微かに聞こえた音に左文字兄弟が反応する。
雨漏りならありそうだと思ったが、小夜の言った言葉に耳を疑う。
ぴちゃん、ちゃぷん
そんな音と共に畳に水紋が広がり、1匹の魚が跳ねた。
いきなりの事に戸惑いつつも、敵襲かと構える。
「やァっと来たのかよ、惺蓮。
テメェが中々来ねェから頭の螺子飛んだとか言われたんだけど。」
「ふふっ……主のような戦闘狂は常に頭の螺子が飛んでいるようなものだろう？」
畳の中から跳ねて出て来た魚は人の姿になってクスクスと笑う。
此奴は……式神か？
「違うぞ、薬研藤四郎。
我が名は惺蓮。訳あってこの娘に憑いている元神じゃ。」
「な……俺っちの名前！？」
「ふふっ…知っておるぞ。
薬研藤四郎、厚藤四郎、乱藤四郎、前田藤四郎、博多藤四郎、五虎退、今剣、鬼神大王波平行安、江雪左文字、宗三左文字、小夜左文字、鶴丸国永、そして……久しいの。村正。」
ぐるりと俺っち達を見て、最後に村正の旦那に目を止めてまた笑う。
「誰がンな怪しさ満点の登場しろっつったよ？
普通に自己紹介しろ、普通に。」
チッ…と舌打ちをして村正の旦那が答える。
「村正さん、この人と知り合いなの？」
「あー……まぁな。Aに憑いてる水神。
多分……鶴が打たれた時にはもういたんじゃないか？」
ニコニコと笑っているその元神様に向かって振り上げた村正の旦那の拳がヒラリと躱されたのは見なかった事にする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 296人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【刀剣乱舞】ブラック本丸にて好きにやれって言ったら滅茶苦茶命狙われた(´･ω･`) ... 【刀剣乱舞】虐待少女、まだまだ堕ちる【ブラック本丸】 【加州清光】人間不信気味なヒキニーが生まれ変わった先は【成り代わり】
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鋼夜(プロフ) - Loveasu42211さん» 申し訳ありません。 自分でも読み返してそう思いまして……。 二章から誰が喋っているのか明記するようにしました。 文字数の関係上、こちらはこのままになってます。 すみません……。 (2017年7月26日 15時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
Loveasu42211(プロフ) - 誰が喋っているか分かりません (2017年7月26日 14時) (レス) id: edb9424f8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
