短刀って本当に可愛い ページ35
しばらくポンポンしてると、薬研は暴れなくはなった。
代わりに、私の服を強く握り締めて泣くまいと唇を噛み締めている。
「落ち着いたかい？」
ゆっくり薬研が頷くのを感じたから、手を止める。
「何か吐き出したい事あるなら私の所においで。
いつでも聞いてあげるから。」
トン、と少し力を込めて肩を叩くと、小さく「ありがとう」と聞こえた。
薬研が離れると、今度は乱が飛び込んで来た。
「審神者さん！ボクも撫でて！」
「あ！乱、ズルいぞ！オレも！」
「ぼ……僕も撫でて欲しいです……！」
「さにわさん！ぼくもなでてください！！」
「僕もお願いします！」
「俺もー！！」
乱に続いて厚、五虎退、今剣、前田、博多がのしかかるように飛びついてくる。
懐かれたと思うと嬉しい。
けど、痛い。
お忘れかもしれないけど、私、一応病み上がりなんだよ。
「はいはい。順番な。
一気に全員は無理だ。
私は生憎、千手観音みたいに手が多くある訳じゃないから！！」
じゃんけんで順番を決めてもらい、1人ずつ撫でていく。
大体1人1分ずつくらい。
交代って時にみんな名残惜しそうにするのが可愛い。
っていうか、必要としてくれてるんだなって思うと胸が熱くなる。
丁度、最後の厚を撫でてる時に小夜と江雪が入って来た。
両手に抱えた籠いっぱいの橙色の果実を持って。
「ん。じゃあ、厚、小夜と交代。」
「えー！もうちょっとやってくれよ！」
「ダーメ。みんな平等だ。な？
また撫でてやるから。」
「むー……絶対だかんな！！」
少し拗ねたような顔をしたものの、「約束するから。」と言うと渋々、と言ったように私の上から降りる。
「………主、何、やってるの？」
「小夜を待ってる。」
腕を広げて待ってると、小夜が思いっきり不思議そうな顔をした。
何故だ！！
腕を広げて待つ＝いつでもウェルカムだろ！！
何で不思議そうな顔するんだ！！
「主様、短刀達を撫でてたんです。
そしたら次は小夜くんの番だと。」
「え……」
なんだその声は！
泣くぞ！？そんなに嫌なのか！？
「い……良いの？」
「へ！？あ、うん！勿論！！
いつでもウェルカムだよ！！」
恥ずかしそうに俯き気味で近くに来た小夜を思いっきり抱きしめた。
可愛いんだよ！！
これが抱きしめずにいられるか？
いや、無い！！
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鋼夜(プロフ) - Loveasu42211さん» 申し訳ありません。 自分でも読み返してそう思いまして……。 二章から誰が喋っているのか明記するようにしました。 文字数の関係上、こちらはこのままになってます。 すみません……。 (2017年7月26日 15時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
Loveasu42211(プロフ) - 誰が喋っているか分かりません (2017年7月26日 14時) (レス) id: edb9424f8f (このIDを非表示/違反報告)
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