愛しき子 ページ24
??サイド
「ったく……あのクソ
とある本丸の外壁を越え、庭の木の陰に隠れる。
あのクソ女が捨てて、他の審神者が来てるってんなら、少しはマシになってんじゃねぇのかなぁ…
そんな風に考えながら来たが…甘かった。
本丸は瘴気が蔓延してて、とてもじゃないが息苦しい。まぁ、ところどころ安全地帯があるっぽいけど。
アレに言われた命令は無視無視。
あ。でも、『できる事なら審神者を殺せ』って命令は無視しないでおこう。
最近、遡行軍すら斬ってないから何か斬りたくて斬りたくてしょうがない。
相手が人間だって言うなら、尚更。
不意に、俺の眼前を白い何かが横切る。
直後、大広間が騒がしくなる。
……あー、今は夕餉の時間なんか。
俺は大広間とは逆方向に歩き出した。
……にしても、ここは相も変わらず鉄クセェな。
嫌いじゃねぇけどさ。
まぁ、それよりも気になるのは、この流れて来る霊力。
どっかで触れた事あんだよなぁ……。
「手入れ部屋じゃねぇか。」
霊力を辿って行けば、手入れ部屋に着いた。
彼奴なら、ココは封鎖してそうだけどよ……。
新しい審神者とやらがどうせこじ開けたんだろ。
「獲物はっけーん」
手入れ部屋の奥の方でぐったりとしている影を見つけて、テンションが上がる。
「貴方……まさか、村正!?
何故此処に……!?こんな時に来るなんて!」
「お?政府の狐じゃんか。
なんだよ?来たら悪りぃのか?
俺も元は此処の本丸の仲間なんだからよォ。」
まぁ、目的は審神者殺しだけどな。
威嚇するように毛を逆立てる狐をポイっと投げて横たわる審神者の顔を見る。
見覚えのあるその顔に、息が詰まった。
十年程前、あのクソ女に現世に放り出された時に出会った少女だった。
何故か、妙に俺に懐いていて、良く笑っていたものだ。
「マジかよ……お前、審神者になんかなったのかよ、A…。」
垂れ流しになっているAの霊力をなんとか使ってAの傷口を塞ぐ。
そのまま、Aを抱き上げ、隣の空き部屋に運ぶと、座布団を枕にして寝かせる。
「ったく……テメェが相手じゃァ殺しもできねぇ。」
顔に掛かった白い髪を指でそっと撫でてから、外に出た。
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鋼夜(プロフ) - Loveasu42211さん» 申し訳ありません。 自分でも読み返してそう思いまして……。 二章から誰が喋っているのか明記するようにしました。 文字数の関係上、こちらはこのままになってます。 すみません……。 (2017年7月26日 15時) (レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
Loveasu42211(プロフ) - 誰が喋っているか分かりません (2017年7月26日 14時) (レス) id: edb9424f8f (このIDを非表示/違反報告)
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