話題を逸らす ページ26
輪廻side
黙って成り行きを見守っていると、ひしひしと視線を感じて目だけでそっちを見る。
すると、あいちゃんが「さっさと止めろ」と言わんばかりに睨んできていた。
眠いのか怠いのか知らんけどその目は人を殺せるで、あいちゃん。
なんて軽口を心の中でたたきながら、どう止めようかと思考を巡らせる。
幻を下手に刺激して刃物を投げられるのも少年を下手に刺激して泣かれるのも真っ平御免。
両者を刺激せず、且つあいちゃんの殺人級の視線を躱す方法……。
うーむ、難しいな。
どうやら幻は相当イラついているらしいから、変に少年を擁護できない。
かと言って少年に俺が怖い人間なんだ、という印象を与えるのも得策とは言えない。
輪廻「……あ。」
幻「何？耳障りだからその間抜けな声を出さないでくれない？」
ただただ、気付いた事があって声を漏らしただけなのに、幻はそこに暴言を上乗せして返してきやがった。
…やっぱりコイツ、息をするように暴言吐かないと死ぬ病気なんじゃない？
暴言吐かなかったら肺が破裂するんだ。
だから発作で良く倒れるんだよ、きっと。
輪廻「あのさ、気付いたんだけど……。
荷物、運ばんでええの？
バスの運転手さんがめっちゃ困惑してて可哀想なんだけど。
あと、飯。
十二時頃にこっち来るヤツがいるならもう作り始めねぇと間に合わなくね？」
1クラスと言えど、たったの20人。
その20人とあいちゃんの荷物くらいならちゃっちゃと運べる。
だからか、運転手さんはバスの座席に座ったままだ。
ところが、今のこの険悪な空気の所為でそれどころじゃなく、荷物は未だバスのトランクの所に入れられたままだ。
その為、運転手さんはさっきからそわそわと窓からトランクの様子を見ている。
恐らく、彼はこの後も別の人を乗せてバスを走らせるのだろう。
ならば、彼にもスケジュールというものが存在する筈である。
また、彼の到着の遅れによりもっと多くの市民が交通手段を奪われてしまう可能性だってないことはないのだ。
俺が一言、そう言うと幻は大きな舌打ちを隠すこともなくした。
だけど、何も言わずにまっすぐバスの方に歩いて行ってしまった。
……キレてんなぁ。
「あ、あの…ありが、と…」
不意に腕を掴まれて下に顔を向けると、少年にそう言われた。
それは少年の目線と同じ高さに座り、笑いながら一つ、忠告でもしようかと思った。
輪廻「君は、嘘つきと外道を騙すにはまだ幼すぎる。
もう少し素直になれ。」
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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 鋼夜さん» ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年9月9日 16時) (
レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - きなこねこ。さん» 楽しみにしてくださり、ありがとうございます！！ 次章でも楽しんで頂けるよう、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2018年4月29日 22時) (レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
きなこねこ。 - もうすぐ７章目ですねー!輪廻ちゃんがどう動くのか楽しみです！ (2018年4月29日 0時) (レス) id: d0d6790e43 (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - きなこねこ。さん» ありがとうございます！楽しく読んで頂けているのなら、本当に嬉しいです！ (2018年4月21日 22時) (レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
きなこねこ。 - 楽しく読ませていただいています!輪廻ちゃん好き...。もっと伸びてほしい! (2018年4月21日 22時) (レス) id: d0d6790e43 (このIDを非表示/違反報告)
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