目は口ほどに物を言う ページ25
輪廻side
俺のバカ丸出しな返答に、半ば放心したように目を大きく見開いてこっちを見る少年。
子供特有の大きな目は幼い頃の勝己同様つり上がっていて、将来この子が、それこそ勝己のように敵顔負けの悪人ヅラにならないように、と祈らざるを得ない。
そしてたっぷり数秒、俺を見つめた後、少年は「バカじゃねーの？」と、まるで可哀想なものでも見るかのように呟いた。
こんな子供にそんな目で見られるとか、悲しすぎて泣けてくるよ。
輪廻「さてね。俺がバカだろうが阿保だろうが、君には関係ないだろうに。
だが……ふむ……。
君、もう『ヒーローが嫌い』だなんて言わない方が良いよ。」
「はぁ！？なんだよ、それ！！
嫌いだから嫌いっつってなにが悪いんだ！」
俺の言葉に信じられない、とでも言うように大きな目を更に大きく開いて詰め寄る少年。
そんな少年に、俺は何も言わずににこりと微笑んだ。
アドバイスはしてやったんだ。
教えてやる義理までない。
化野「君がヒーロー嫌いの目をしてないから、だよ。」
ただただ、微笑むだけの俺とは違い、隣の幻はご丁寧にその理由を説明する。
まあ、こんなワガママな坊主に俺の言い方は厳しいだろうし、幻は適任かもな。
化野「君の目はヒーロー嫌いの目じゃない。
ヒーロー嫌いの目は、君みたいに縋るような目をしてないんだよ。
君は、ただ単に自分の思うように事が運ばなくて癇癪起こしてるだけだ。
だからきっと、君を救けてくれるヒーローが現れた途端、泣いて喜ぶよ。君は。
そういう目をしてるって言ってるんだ。」
……前言を撤回させて頂きます。
コイツも結構どストレートで行くな、オイ！
もしかしたら俺の方がちゃんとオブラートに包んでるかもしれねーわ！！
しかも、普段からフォローは幻に丸投げしてたからフォローできねえ！！
すまんな、少年！！
「な、なんで……そんなこと…！」
真顔の幻は結構怖い。あの…アレだ。
瞳孔が開いてて、ハイライトがないんだわ。
それをこんな真正面から小さい子が見たら…そりゃ怖いわ。
化野「経験してるから。
君と同じか、少し大きいくらいの頃に、君が想像もできないくらい痛くて苦しい経験をして、ヒーローを恨んでる。」
……いい加減、やめてやれよ。
止めたら俺の命が危ねえ気がするから指示があるまで止めないけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 鋼夜さん» ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年9月9日 16時) (
レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - きなこねこ。さん» 楽しみにしてくださり、ありがとうございます！！ 次章でも楽しんで頂けるよう、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2018年4月29日 22時) (レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
きなこねこ。 - もうすぐ７章目ですねー!輪廻ちゃんがどう動くのか楽しみです！ (2018年4月29日 0時) (レス) id: d0d6790e43 (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - きなこねこ。さん» ありがとうございます！楽しく読んで頂けているのなら、本当に嬉しいです！ (2018年4月21日 22時) (レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
きなこねこ。 - 楽しく読ませていただいています!輪廻ちゃん好き...。もっと伸びてほしい! (2018年4月21日 22時) (レス) id: d0d6790e43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
