バスの中と季節と服装 ページ18
化野side
バスまでズルズルと引きずって連行し、そのまま座席に座るとリンはすぅすぅと寝息を立て始めやがった。
きっと4番目の人格干渉のリミットが来たんだろう、と頭では分かってるんだけど…。
でもやっぱりムカつく。
ちょっとした嫌がらせで思いっきり頬を抓ってやった。
それでも起きなかったけど。
人格干渉は蛇達がリンの身体の負荷を考えずに酷使するから神経削る上に、肉体的にもキツいんだと前に話してた。
だからきっと、心身共に擦り減らしてるんだろうな…。
死ぬ程いい迷惑だけど。
修学旅行にでも行くような、ワイワイガヤガヤとしたテンションのバスは、快適な温度を保つ為にエアコンがかなり効いていた。
制服の上から軽くパーカーを羽織ってるボクでさえ、肌寒いくらいに。
まぁ、ボクは元々体温が低めなのもあるんだろうけど。
隣のリンの手を握ってみると、既に冷たくなっている。
さすが変温動物。
このまま風邪引かれて、四条さんやトリさんに何かを言われるのも面倒だ。
パーカーの上に来ていたブレザーを脱いでリンの膝に掛け、何か曲でも聞こうかと携帯を取り出してふと、逆隣からの視線が気になった。
リンは2人がけの席の窓側。
つまり、ボクは通路側だ。
そして通路を挟んで隣に座ってるのは、相澤さんだ。
化野「どうかしました？」
相澤「いや、寒いのかと思ってな。温度上げるか？」
四月から変わらないボクの装いに不審に思ったのか、気遣ったのかは分からない。
けど、ボクが首を傾げながらそっちを向くと、相澤さんは天井のエアコンを指差して気を利かせて言ってくれた。
トリさんならこうは行かないだろうな。
…本当に同い年なのかな？
化野「あ、気にしないでください。
着込んでるのは癖なので。」
相澤「癖？」
癖、と言うよりもちゃんとした理由はある。
癖なのも嘘じゃないけどね。
けれど年がら年中、長袖で着込んでいるのが癖っていうのもおかしな話だろう。
今度は相澤さんが首を傾げた。
ボクは後ろに座る皆んなにバレないよう、“個性”を発動させつつ、パーカーの袖をまくってカッターシャツの腕のボタンを外した。
ボタンが外れたことで筒状を保とうとしなくなった袖は大きく開き、そこから覗くボクの腕は包帯やガーゼまみれになっている。
一目、それを見ただけで理解したらしい相澤さんは小さくコクリと頷いてくれた。
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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 鋼夜さん» ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年9月9日 16時) (
レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - きなこねこ。さん» 楽しみにしてくださり、ありがとうございます！！ 次章でも楽しんで頂けるよう、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2018年4月29日 22時) (レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
きなこねこ。 - もうすぐ７章目ですねー!輪廻ちゃんがどう動くのか楽しみです！ (2018年4月29日 0時) (レス) id: d0d6790e43 (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - きなこねこ。さん» ありがとうございます！楽しく読んで頂けているのなら、本当に嬉しいです！ (2018年4月21日 22時) (レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
きなこねこ。 - 楽しく読ませていただいています!輪廻ちゃん好き...。もっと伸びてほしい! (2018年4月21日 22時) (レス) id: d0d6790e43 (このIDを非表示/違反報告)
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