体育祭の翌日・A ページ44
相澤side
わんわんと泣く女を宥めようと、化野がその背中をさする。
が、女は一向に泣き止まない。
…と、思っていたら、唐突にピタリと静かになった。
「そうだわ……そうよ…！なんで思いつかなかったのかしら……？
幻、もう学校なんて行かなくていいわ。
ずっと側にいて。そうすれば安心よ。
…大丈夫。幻のことはお母さんがちゃんと守るから。
絶対、絶対……守るから……。
あの人の分まで、ちゃんと……。」
突然、ブツブツと呪いのようにそんなことを言い出した化野(母)。
光を映さない真っ暗な赤い瞳は、まっすぐに化野を捉えていて、口元には薄っすらと笑みが浮かんでいた。
声もなんだか上機嫌だ。
だが、俺は直感的に感じた。
……狂っている、と。
化野「心配してくれてありがと、お母さん。
けど、まずは自分の身体を心配しなよ。
仕事、頑張りすぎてるんじゃない？」
「え？」
化野「まずは体力回復が先だよ。
ほら、前にもらった睡眠薬。
あれ飲んでしっかり寝なって。」
ね？と化野が笑うと、女はコクコクと頷いて、自室と思われる部屋に入って行った。
それを見届けてから、化野は靴を脱ぎながらこちらを一切見ずに、声を潜めて話す。
化野「すみません、いきなり。」
相澤「いや、良い。大丈夫だ。」
化野「……お父さんが死んだから、お母さん、ああなっちゃって……。」
相澤「………………そうか。」
言葉が喉に張り付いたように出てこない。
やっとの思いで引っ張り出したのも、素っ気ない一言だけ。
だが、化野はそれを気にせずスタスタと奥へ向かう。
が、一番奥の……リビングに続くのであろう扉に手をかけた瞬間、化野が引きずり込まれるようにして消えた。
慌てて後を追ってリビングに入る。
するとそこには、床に座り込む化野と、血の滴る包丁を持った男がいた。
よく見れば、化野の太ももからは血が出てしまっている。
斬り付けられたのか……！！
男は、ビリビリッと化野の着ている服を破き始めた。
あまりの出来事に言葉を失った。
「相変わらず色気のねぇ身体してんなぁ！」
化野「その色気のねぇ身体に欲 情してんのはどこのどいつだ、ど変態。」
下卑た笑い声を響かせていた男は、化野の一言で黙り、もう一度包丁を手に取って、大きく振り上げた。
相澤「ッ……！？何やってんだ！！」
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鋼夜(プロフ) - さのさん» あ。気付かれる方がいらっしゃいましたか！！w (2017年12月3日 10時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
さの - 輪廻ちゃん…たこ焼き食べたいんだねぇ！美味しいもんね！たこ焼き！ (2017年12月3日 4時) (レス) id: e63060316e (このIDを非表示/違反報告)
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