体育祭の翌日・A ページ43
相澤side
にっこりと綺麗な笑顔でこちらを見る化野に、胸が痛んだ。
化野「ボク、義父の前だと自制効かなくなっちゃうみたいで。
すっごい口悪くなっちゃうんですよね。
だから、歯止めきかなくなってたら止めてもらえると助かります。」
作り物めいた……いや、作り物であろう笑顔が、痛々しい。
この笑顔は、明らかな線引き。
これ以上は踏み込んでくるなと言う、化野からのサイン。
だが、線引き以上に、俺には自分が無力であることを突き付けられた気がした。
俺じゃ、この子は救えない。
ヒーローなんてやってても、結局は人間。
限界は、超えられない壁はある。
目の前のコイツは、その先にいるんだと、そう言われたような気がした。
結局俺は、分かった、の一言を言うので精一杯だった。
化野「あ。着きました。ここです。」
電車を使ってやって来たのは、俗に言う、高級住宅街にあるマンション。
交通の便も良く、寂れてはいないが静かな良いところだ。
エレベーターを使って階を登り、『火溜』と書かれた表札の前で止まる。
相澤「火…りゅう？」
化野「え？あぁ……これでヒダメって読むんです。」
相澤「珍しいな……。」
化野「なら、このご時世、珍しい名字ばっかりですよ。」
相澤「……それもそうか。」
クスクスと笑った化野は鞄から鍵を取り出して開け、驚く程あっさりと、中に入っていってしまった。
俺も続いてお邪魔する。
「……幻……？」
中に入ると、そこには女が立っていた。
長い黒髪はボサボサで、酷くやつれた姿が不気味な女が。
女は化野を凝視して固まっていたが、1分もしない内にドタドタとものすごい勢いで化野に近付き、抱きしめた。
……この女が、母親、か……？
「幻！幻…！帰って来たのね…！
こんな長い間、連絡も無しにどこに行ってたのよ！！」
化野「ごめん、お母さん。
ちょっと教えてもらいたいことがあって、リンの家に泊まってた。」
「…狼木さんの？……そう…。
今度、ちゃんとお礼をしないとね……。
……それより幻！！あなた、怪我してない！？大丈夫！？無事！？」
化野「…うん、無事だよ。
心配かけてごめん。」
「本当に、本当に良かったわ……！
あなたまでいなくなったら、私っ……私っ……！！」
化野の為に涙を流す女。
……悪い人間には見えないんだが…。
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鋼夜(プロフ) - さのさん» あ。気付かれる方がいらっしゃいましたか！！w (2017年12月3日 10時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
さの - 輪廻ちゃん…たこ焼き食べたいんだねぇ！美味しいもんね！たこ焼き！ (2017年12月3日 4時) (レス) id: e63060316e (このIDを非表示/違反報告)
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