周りには…… ページ33
輪廻side
轟「凄えな、緑谷……。」
輪廻「あぁ、そうだな。
……全部ぶっ壊された感想は？」
轟「分かんねえ……けど、悪くはねぇ……と、思う。」
輪廻「だろうな。」
俺の腹に顔を埋めて甘えてくる焦凍。
焦凍も戸惑ってんだろうな。
今まで、左側の力を使わずにエンデヴァーを否定する為だけに技を磨いて、そうやってヒーローになってやるって、そればっかだったんだから。
けど、出久がそれを見事になくした。
焦凍の世界も180°変わっただろう。
輪廻「初めての物の見方に、戸惑うことも多いと思う。
けど、焦凍なら大丈夫。きっと全て上手くいく。」
轟「……なんで言い切れんだ。」
輪廻「焦凍の周りには、ちゃんと、��エンデヴァーの息子��じゃない轟焦凍を見てくれるヤツがたくさんいるから。
俺の自慢の幼馴染達だって、そん中にいる。何の問題もねえよ。」
ギュッとジャージの裾を握ってくる焦凍の頭を軽く撫でる。
昔は俺も、今の焦凍みたいに師匠に甘えたな……。
怖い夢を見た、とか、そんな下らない理由で。
俺にも可愛かった頃があったんだな……。
轟「でも……簡単に覆ったりしねえよ。」
輪廻「良くわかるよ。けど、なんつーかな……段々、萎んでくんだよな、そーゆー……憎しみってさ。
俺がそうだった。」
轟「お前が？」
輪廻「おう。俺、ずっとあの男に復讐してやろうって思ってた。
ずっと、ストレス発散の道具にして来た、あの男にさ。」
あの事件で俺は、可哀想な被害者になった。
けど、それと同時に人から距離を置かれる存在にもなった。
冤罪とはいえ容疑者になるようなのと、誰も仲良くしたいとは思わない。
俺自身も他人から距離を置いてたけどさ。
怖かったし。
何で自分がこんな目に遭わなきゃいけないのか。
何で両親殺されて、兄弟とも離れなきゃいけなくなったのか。
何で平和に暮らさせてくれないのか。
毎日毎日、そんなんばっか考えてて、気付いたらアイツに復讐してやるって気持ちが俺の生きる理由になってた。
輪廻「だけど師匠がさ、俺に言ったんだよ。
『憎むなら私を憎め。私はお前を私の目的の為の駒としか思ってない』って。
でも師匠、嘘を吐き続けるの苦手だからさ。
俺のこと、すっげえ可愛がって育ててくれた。
なんかソレ見てたら毒気抜かれてさ。
復讐なんてどうでも良くなった。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鋼夜(プロフ) - さのさん» あ。気付かれる方がいらっしゃいましたか！！w (2017年12月3日 10時) (
レス) id: 0d16a2c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
さの - 輪廻ちゃん…たこ焼き食べたいんだねぇ！美味しいもんね！たこ焼き！ (2017年12月3日 4時) (レス) id: e63060316e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
