【A3!】好きな人【短編集】 (ページ6)

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瑠璃川幸ページ6

夢主と幸くん以外のキャラは出てきませんが、夢主→モブ表現があります。
いつも以上に他人の地雷に配慮していません。御注意ください。

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放課後の自習室。2人以外には誰もいない。
｢ここは…こうだっけ？｣
｢そう、上手いじゃん｣
私と瑠璃川くんの秘密の簡易編み物教室が開かれて、早1週間。同級生の先生からお墨付きをもらった私は、そのままポーチを編み上げた。

出来栄えを確認する瑠璃川くんの横で、目の前に広げられた1週間の練習の成果を眺める。コースターから始まり、様々な形のストラップや巾着袋。最初は不揃いだった編み目も整い、自分のことながら凄まじい成長だと思う。

｢うん、よく出来てる。もうプレゼントに取り掛かってもいいんじゃない？｣
その言葉に勢いよく顔を上げると、そこにはクールな彼の珍しい笑顔があった。
｢告白、頑張ってよ。俺がここまで教えてあげたんだから｣
｢…ありがとう、瑠璃川くん｣

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平均を大きく越えた身長。睨んでると勘違いされる吊り上がった目。さらしを巻いているかのような控えめな胸。小学生の頃はそこらの男子より背が高かったせいで、｢男女｣なんてあだ名を付けられたこともある。
可愛いなんて言われたことのない私は、可愛いものに興味のないふりをしてきた。
そのせいか恋愛とはこれっぽっちも縁がない人生を送って来たし、これから先も自分が恋をするなんて考えたこともなかった。

だから浮かれていたんだ。初めて恋をして、精一杯可愛い自分になって、同級生の協力でプレゼントも用意した。今時手編みのマフラーなんて重いかなとか、告白でプレゼントとかうざいかもとか、私のキャラに合ってないとか、何一つ考えてなかった。