【HP】カオスセオリーの定理 Ⅳ (ページ1)

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闇の魔術に対する防衛術の授業が入っていた、今は自由時間になった午後の時間を使ってハグリッドのところへ行こう、とハリーたちから誘われたが、その気になれなかったAはそれを断って自室へ向かっていた。

寮の入り口が見えたところでAは足を止めた。

扉の前にダフネ・グリーングラスがいたからだ。

「ノーブ____」

「ねえ」

合言葉を言おうとするグリーングラスをAは遮った。

「何？」

一瞬困惑の表情を浮かべたグリーングラスだが、すぐに鋭い目つきでAを睨みつけた。

「話があるの」

これを終わらせなければ、全てを受け入れたとは到底言えそうにない。

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Aはいつもの空き教室の一つ隣の部屋にグリーングラスを連れてきた。

「何の話？」

「検討がついてるから大人しく付いてきたんでしょう」

グリーングラスはフンと鼻を鳴らした。

「初めて話したときのこと、覚えてる？」

Aがそう言うと、寄りかかる机の角を睨みつけていたグリーングラスがゆっくり顔を上げた。

「あんたはとっくに忘れたと思っていたわ」

「私もよ」

入学して間もない頃。

グリーングラスが私を好意的に見てくれていた頃。

「合言葉がわからなくて困っていた私になんであなたが声をかけてくれたのか、なんであなたに嫌われたのか、考えた」

何も言わずにグリーングラスは耳を傾けた。

「最初は父親のことを知ったのかと思った。でも、皆私に近寄ろうとしなくなるから、あなただけ変だなって。あなたの友達もだけど、彼女たちはあなたに付き合っていたんでしょうね____。あなた、私と友達になりたかったんでしょ」

グリーングラスは表情を変えず口を開いた。

「……特別可愛いわけでもないのに目を引く子だなと思ったの。あんたの父親の話は聞いていたけどね。マグル生まれみたいにビクビクしてるあんたが面白くって」

Aの言葉をグリーングラスは否定しなかった。

「純血の意味を聞いてきたあんたに心底嫌気が差した。あのとき、あんた、自分がどんな顔してたかわかってる？」

Aは何も言わずに頷いた。

「あなたのこと見下したの。馬鹿にされたんだと思った。こっちの世界に期待していたから、なーんだ、こっちもあいつらと同じじゃんって絶望した。純血主義なんてくだらないって」

グリーングラスは眉をピクリと動かし反論しようとしたが、Aが「けど」と言いかけたのを聞いて、口を閉じた。

「あなたが声をかけてくれたのは純粋な気持ちからでしょう。それも私が全部否定したから怒ったのよね」

グリーングラスは複雑な表情を浮かべ、握りしめていた拳を緩めた。

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