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ハーマイオニーは明後日のクィディッチ・ワールドカップを見るために、隠れ穴にやってきていた。
ハリーも明日の午後五時にここにやってくる予定だ。
ウィーズリー一家とハーマイオニーの九人____パーシーは部屋で仕事中だ____がぎゅうぎゅうになって朝食を食べているときに、ジニーの手元に手紙を持ったエロールがよろよろと落ちてきた。
ジニーが手紙を一読すると、「わあ！」と顔を輝かせた、
「ママ！Aが去年使った教科書を丸々私に譲ってくれるって！」
「Aから手紙？僕には書いてくれないのに？」
「あなたの方から書かないからでしょ、フレッド！」
ジニーはこの夏休みの間、しょっちゅうAと手紙を送り合っていたのだ。
「あら！それは助かるわね！ところでAってどなた？」
「私達の友達です、お母さま。二年前に本屋で会った子なんですけど覚えていらっしゃいますか？」
ハーマイオニーが即座に助け舟を出した。
「ああ！あの子！随分しっかりした子だったわねえ」
「それでAが、明後日の昼にダイアゴン横丁に行くからそのときに渡せるなら渡したいって………いけない、ワールドカップのことは手紙で書いてたのに、日にちは伝えてなかったわ！」
「なら私が代わりに受け取りに行くわ。ただでさえ荷物が多い始業の日に、倍の教科書を持って来させるわけにはいかないもの。さっさと返事を書いちゃいなさい」
着々と話を進めていく二人を見て、ハーマイオニーは内心ハラハラしていた。
うまく隠し通せるのだろうか、A・
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Aは漏れ鍋に来ていた。
ジニーとの手紙のやり取りは、子供達の相手とクリスマスに売る帽子作り(どうせクリスマスに帰る気ないだろうから とエミリーおばさんに頼まれた)で疲れ果てていたAの癒やしの時間だった。
ジニーからの手紙によれば、ジニーの代わりにウィーズリーおばさんがここにやって来るというのだ。
「あらあら！久しぶりね！」
振り返ると、二年ぶりに会った朗らかな女性、ウィーズリーおばさんがAをぎゅっと抱きしめた。
「お久しぶりです。これどうぞ」
「まあ！どうもありがとう。ジニーはあなたに会いたがってたわ、ワールドカップを見に行ってるから私が代わりに来たけど」
教科書一式を入れたトートバックをウィーズリーおばさんはヒョイっと抱えた。
「このあとあなたもここで買い物を？」
「ええ、そのつもりです」
「それなら一緒に行きましょう！今日は子供達のと、ハリーとハーマイオニーのをまとめて買いに来たの！」
ウィーズリーおばさんは力強くAの手を引いた。
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年4月5日 23時
