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シリウス・ブラックが二度目の侵入を果たしたこともあり、Aに対する疑惑の目は余計に強くなるばかりだった。
図書室で宿題をしていると、ハーマイオニーがAのもとにやってきて一枚の羊皮紙を机に置いた。
「これ、ハグリッドが送ってきたの」
『ハーマイオニーへ
俺達が負けた。バックビークはホグワーツに連れて帰るのを許された。
処刑日はこれから決まる。
ビーキーはロンドンを楽しんだ。
お前さん達が俺達のためにいろいろ助けてくれたことは忘れねえ』
「そうなの……」
Aがポツリと呟くと、ハーマイオニーは手紙をそのまま持って、「ハリーとロンに知らせてくるわ」と、トボトボと図書館を後にした。
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ロンが「控訴を手伝う」と言ったおかげで昨晩のうちに三人は和解したようで、Aは三人と一緒に魔法生物飼育学の授業を受けた。Aは無理やり三人に連れて行かれた。
ハグリッドは判決を受けたショックで放心状態だった。
五人が他の生徒達と一緒に城に向かって歩いていると、前の方に、クラッブとゴイルを引き連れたマルフォイの姿が見えた。マルフォイはハグリッドを見て小馬鹿にしたように笑っている。
「まだ控訴がある！まだ諦めないで。僕達、準備してるんだから！」
「ロン、そいつぁダメだ。あの委員会はルシウス・マルフォイの言うなりだ。俺はただ、ビーキーに残された時間を思いっきり幸せなもんにしてやるんだ。俺はそうしてやらにゃ……」
ハグリッドは踵を返し、ハンカチに顔を埋めて、急いで小屋に戻っていった。
「見ろよ、あの泣き虫！」
A達が声のした方を向くとマルフォイがいた。マルフォイはAと目が合うとふいっとそらした____あの日以降、マルフォイはAを徹底的に避けている____。
ハリーもロンもカンカンに怒って、マルフォイに向かって手を上げたが、ハーマイオニーの方が速かった。
ハーマイオニーが思いっきりマルフォイの頬を叩いた。
その場にいた全員、びっくりして棒立ちになった。
「よくもそんなことを。この汚らわしい____この悪党____」
また上げられたハーマイオニーの拳を、ロンがオロオロしながら押さえようとした。Aもそれに加勢した。まさか、こちら側になるときがくるとはAは思ってもみなかった。
マルフォイ達はすぐに地下牢へ続く階段を下りていった。
その後ろ姿に、Aは思わず笑い声を上げた。
「ハリー、クィディッチの優勝戦で、何がなんでもあいつをやっつけて！」
ハーマイオニーは上ずった声で叫んだ。
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年4月5日 23時
