32 現場 ページ34
やっとのことで着いた。
姉ちゃんの運転はなかなかハードでメンバーの皆はもう慣れているようで、俺だけ少し酔いそうになった。
車を降りた後、大和さんに座り心地はどうだったかとにやにやしながら聞かれて無性に腹が立ったので眼鏡の上から目潰ししてやった。
俺は事務所の関係者としてなんとか建物の中に入ることができ、今は控え室でメンバー達が準備しているところだ。
改めてこの人達はアイドルなんだと認識した。そして妙に緊張して落ち着かなかった。
それぞれのメンバーがリラックスしているところ、姉ちゃんが今日のことについて述べ始めた。
「今日は雑誌のアイドル特集として呼ばれているので、写真撮影を終えたらメンバーでテーマに添ってトークしてもらいます」
「この前やった特集とは違うの？」
「この前は記者が質問しながら俺たちが話してたけど、今回はテーマだけ与えられて話すってことだよな、マネージャー」
「はい！その通りです、三月さん」
「自然な私達の様子を特集にすることが前提ですね」
「でも、誰か話を止めてくれる人がいないってことだから、無限に話が広がるんじゃ…」
「まあ、そこはうまいようにプロが編集してくれんだろ」
「そーちゃんすぐ心配する…」
「そこがソウゴの良いところでもありますよ、タマキ」
がやがやと会話するメンバーと姉ちゃんの姿を見て、なんとなく疎外感を得た。
自分でもわからないくらいに皆を凝視してたようで、姉ちゃんに心配されたが思わず敬語で大丈夫と伝えてしまった。
そして控え室から現場へと向かう途中、なぜか俺はさまざまな視線を浴びせられていた。
周りの視線で少し不機嫌になりかけたとき、姉ちゃんから何故か帽子を被せられ、一織さんからはマスクをもらった。
訳もわからず帽子とマスクをつけたら視線は少しだけ弱まった気がした。
そして現場に着き、アイドリッシュセブンの撮影が始まった。
いつも通り、寮で過ごす彼らとは違う姿がそこにあった。
真面目でツンデレをかましている一織さんや、なかなか朝からシャキッとしてくれない大和さん、鼻歌をしながら一緒に料理をしてくれる三月さん、王様プリンにしか目がない四葉さん、心配性で優しい壮五さん、まじこなオタクの六弥さん、腹を蹴らないとなかなか起きない七瀬。
いつもとは違う。
目の前がきらきらと輝いた気がした。
俺は今更、彼らの魅力に気付き、惹き付けられたのだ。
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弥生 - 今まで読んだアイナナの男主の中で、一番面白かったです。 (2021年9月20日 20時) (
レス) id: a8e691c982 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» コメントありがとうございます！随分前のお知らせでしたので困惑させてしまいましたね、すみません(^^; 更新待っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年2月1日 18時) (レス) id: 137c45cd89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 間違えました！！！！ですけどまた更新待ってます (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 来年の三月まで待ってます！！ (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 早く続きが読みたいです！お願い致します (2020年4月22日 11時) (レス) id: 9df39f7e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2016年5月8日 12時
