19 悲劇 ページ21
文化祭も無事終わり、翌日の夕飯後のことだった。
「シオン！お願いですから…！」
「だから、嫌だってば…！！」
俺は何故か六弥さんに迫られていた。
俺が六弥さんの脇に蹴りを入れて、その攻撃を受けながら膝を引きずり俺にすがりつく六弥さんというとてもカオスな状態である。
「シオン、顔は蹴っちゃだめだぞ」
リビングのソファでコーヒーを手に笑いながら話しかけてくる大和さん。
「うるせぇ助けろよ！」
「ナギ、俺がやってやるからさぁ…。それじゃだめなのか？」
大和さんの隣に座る三月さんが助け船を出してくれた。
どっかの誰かとはちがう優しさ…！
「Noーーー！！これはシオンにしか着こなせません！！」
「でもそれ、女物のコスプレだろ？」
そう、六弥さんに迫られていたのは、俺を女物のコスプレをさせるためだったのだ。
つい最近に着た赤ずきんの服が脳裏に蘇り、寒気がした。
もうあんなスースーしたやつ履きたくない。
「性格が違うんです！！このキャラは少しひねくれているんです！」
ミツキとは違うんです！！、と語る六弥さん。
おい、俺がひねくれてるみたいな言い方やめろ。
「へーお兄さんもちょっとそれ見たくなってきたなぁ」
「げ」
「おお！一緒にベリベリキュートなシオン見ましょう！！！」
「ごめんな、A。こうなるとなかなか止められないんだ」
三月さんのヘルプも虚しく、結局丸め込まれてしまった。
「ワーーーーオ！！！！似合ってますシオン！！！ベリベリキュートです！！！」
「かわいいぞ、A！」
「ほぉ〜馬子に衣装だな」
「うるさい」
用意された服は、黒をベースにした制服のようなもので、ノースリーブだしスカートも短いし気分は最悪だ。風邪引いたらあんたらのせいだからな。
ちなみにこのコスプレはここな…？のクラスメイトの女の子のものらしい。
キャッチフレーズは『ツンデレ美少女、高橋みゆ』らしい。どうでもいい。
髪の色は俺と同じ色らしく、また赤ずきんのときと同様にウィッグを被せられた。
こっち向いてください！！、と俺の周りでカメラを連写する六弥さん。
ポーズのアドバイスをしてくる三月さん。
ソファにもたれかかって爆笑している大和さん。
はやく終われ……。
カメラに向かってぎこちない笑みを浮かべる俺。
床に座って足を組むように言われ、そのとおりにしたときだった。
「マネージャー…？」
七瀬が口をぽかんと開けて立っていた。
……見られた。
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弥生 - 今まで読んだアイナナの男主の中で、一番面白かったです。 (2021年9月20日 20時) (
レス) id: a8e691c982 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» コメントありがとうございます！随分前のお知らせでしたので困惑させてしまいましたね、すみません(^^; 更新待っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年2月1日 18時) (レス) id: 137c45cd89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 間違えました！！！！ですけどまた更新待ってます (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 来年の三月まで待ってます！！ (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 早く続きが読みたいです！お願い致します (2020年4月22日 11時) (レス) id: 9df39f7e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2016年5月8日 12時
