【男主】マネージャーの弟は不良少年

18 文化祭 ページ20

「Aかわいい〜！！」

文化祭当日。
ついにこの日がやってきたしにたい。
なんでこんな格好しなきゃいけなんだろうか。

朝、この赤ずきんの衣装を着る前に逃げようと思えば逃げられたのだが、クラスのみんなの視線が妙に痛かったから逃げることができなかった。


狼の格好をしたシキに抱きつかれながらため息をもらさずにはいられない俺。


姉ちゃんとあの人たちに見られるのが激しくやだ…。

嫌だから姉ちゃんに文化祭のこと言わなかったのに…。

ちなみに姉ちゃんに文化祭情報を回したのは目の前のこいつらしく、もちろん背中に蹴りを入れてやった。


うだうだしてても文化祭開始時間はせまってくるので本当に憂鬱だ。


……帰っていいかな。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


今日はAの学校が文化祭だということで、マネージャーの誘いでみんなで行こうということになった。

もちろん、変装は必須！！


俺は帽子と眼鏡をかけたらあら不思議！変装完了〜！

「七瀬さん、それでは簡単にばれますよ」

マスクしかしてない一織のほうが俺は心配なんだけどな…。

「りっくん甘いな〜、もっと隠さなきゃ」

「環はもっと露出したほうがいいと思うよ、俺」

さすがに夏祭りのお面は無いと思うよ、俺



ところ変わってAの学校へ到着。

さあさっそくA探しだ、とメンバーとマネージャーでクラスの出し物を回りながら探していると、視界に赤が映った。

「……え」

そこには、赤ずきんの格好をしたAがいた。


「「マネージャー？！！」」

「かわ……」

「うわあ……まじで似てるな、小鳥遊家すげえ」

「ベリベリキュートです！シオン！！！」

「マネージャーのミニマムバージョンじゃん」

「かわいいね。本当に女の子みたいだ」

「……うるせぇ」

キッとこちらを睨むAはウィッグを被っていて、マネージャーの小さい頃みたいでかわいかった。

さらに赤ずきんという格好をしていて、す、スカートはいてる……のに、違和感がまるでない。

小道具として小さなバスケットを持っていて、その中にはチラシが入っているみたいだ。

ぼー、とみんなに囲まれるAを見ていたら、横で大人しかったマネージャーが突然Aに抱きついた。


「A！！かわいい！！」

「ね、姉ちゃん…」

「写真撮ってもいい？」

照れながらカメラにはにかむA。

…かわいいなあ。


(……ん？)

今、なんか胸がざわついたような…？

なんだろう、気のせいかな？

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