16 誤解 ページ18
今日の分の最後の撮影を終えた俺たちは、明日の朝はオフということで、飲みに行こうとしていた。
「僕はパス。介抱する身にもなってよね」
天には断られたが。
「外、薄暗いな」
「一日中建物の中にいたら、時間感覚無くなるよね…」
龍と車の中で他愛のない話をしていると、道路の端で何か揉めているやつらを見つけた。
「喧嘩か…？」
「…下敷きにされてる子、制服着てないか？」
「？！、襲われてんのか？！」
ただごとでは無いとわかると、車から降りてすぐさまそこに駆けつけた。
学生の上に乗ってる男は息が荒く、学生の制服の中に手を突っ込んでいた。
「おい！なにやってんだ！！」
俺の声に男が振り向いたと同時に頬を思いっきり殴った。
結構強くやってしまったようで、男は反撃もせずにふらふらと立ち上がり逃げていった。
「君、大丈夫？」
「立てるか？」
龍の手を借りながら立ち上がった生徒の顔を見ると、俺は驚愕した。
「紡…？！」
少年は、紡によく似た顔立ちをしていたからだ。
ていうかまんま紡じゃねぇか！
どういうことだ、まさか隠し子とかじゃねえよな…？！
俺は顔をよく見るために少年の顔をぐっ、と引き寄せた。
「ちょ、楽？！」
視界に慌てる龍が見えたが構わず少年の顔を凝視する。
紡より少し強気な目、キメ細やかな白い肌、つんとした小さい鼻、艶やかな唇……。
似てる、似すぎだろ……。
「紡の隠し子か……」
「は？姉ちゃん…？」
「紡ちゃん、まだ若いんだから隠し子とかじゃ……、て、え？姉ちゃん？」
「小鳥遊 紡、のこと…です、よね？
俺、弟のA、です」
「弟？！」
「へぇ〜！こんなかわいい弟がいたのか！」
身内か！隠し子じゃなくてよかった…！
さっきまでひきつっていた頬がやっと緩くなった。
「あの、TRIGGERの人、ですよね？」
「ああ」
「うん、そうだけど…」
「助けてくれてありがとうございました…」
少年ーーAはそう言いながら俺たちに頭を下げた。
「君が無事でよかった」
「ああ、全くだ。俺たちがいなかったらどうなってたか…」
そんなAに、龍は頭を撫で、俺は肩に手を置いた。
すると、恥ずかしかったのかAは少し照れながら龍と俺の手を払った。
…なんかかわいいな、こいつ。
その後、Aを事務所まで送った。
「あの、九条さんは…？」
「Aくん天のファンなの？」
「ちがう」
「顔赤いぞ、お前」
俺たちにちっこい友達ができた。
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弥生 - 今まで読んだアイナナの男主の中で、一番面白かったです。 (2021年9月20日 20時) (
レス) id: a8e691c982 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» コメントありがとうございます！随分前のお知らせでしたので困惑させてしまいましたね、すみません(^^; 更新待っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年2月1日 18時) (レス) id: 137c45cd89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 間違えました！！！！ですけどまた更新待ってます (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 来年の三月まで待ってます！！ (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 早く続きが読みたいです！お願い致します (2020年4月22日 11時) (レス) id: 9df39f7e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2016年5月8日 12時
