12 準備 ページ14
文化祭の役割分担を決めようとしている時だった。
「赤ずきん役はAがいいと思いまーーす」
「は」
シキに売られた。
この学校の文化祭は、一年は合唱コンクール、二三年は各クラスで出し物を催すことが決まっている。
そんな中、うちのクラスでは、今年はそれぞれのクラスをまわりたい！、という意見が多かったため、あまり自由時間を縛られない販売をすることになった。
そこまではよかったものの、童話に出てくる白雪姫、赤ずきん、などの格好で校内を歩き回って宣伝することが決まった。
(普通の格好じゃ振り向いてくれない、という文化祭委員の意見より)
そして、その役を決めようとしている時、誰も挙手する人がおらず、シキが俺を推薦したのだった。
「じゃあ、小鳥遊くんが赤ずきん役でいいと思う人は挙手お願いします」
「え」
文化祭委員が言った言葉に俺は驚き、周りを見渡すと、なんと全員挙げていた。
反対する人は全くいなくて、拍手までするやつまでいた。
お前ら他人事だと思って…！！
「よかったじゃん、A〜」
「よくねぇよ！」
なんてことしてくれてんだお前は！！
新手のいじめか！！
「でもさ、誰もやりたがらないんだから、しょうがねぇじゃん？」
「じゃあお前がやればよかったじゃん」
「俺がやったらやばいだろー！
お前だからいいんだよ」
「はぁ？」
「はいはい、そこうるせぇぞー。
じゃあ狼やってくれる人ー？」
「シキ」
「はい決定ー」
「えええ挙手なし？！」
その後は停滞してた空気が嘘だったみたいに、スムーズに進んだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
放課後、シキと校門前で別れたとき、
見覚えのある赤髪が電柱の後ろに隠れていた。
なにやってんだか…。
俺が声を掛けると、こいつー七瀬は肩をびくつかせた。
「ち、違います！怪しいものじゃ…、て、A？」
「なにやってんの？サングラスまでして」
七瀬は指摘されたサングラスをとって、深めに被っていた帽子を浅めに被り直した。
「一応、変装…？」
ああ、そういえば、こいつアイドルだった。
「なんでいんの？」
「やあ、なんかAの顔が早く見たくてさぁ〜、あはは…」
目が泳いでいるあたり、とても怪しい。
まあ、いいか。
と思って七瀬と並んで歩き出す。
「ね、A。お腹すかない？
ケーキ買っていこうよ」
「ケーキ…」
甘いものが好きな俺は、理由も聞かず、七瀬とケーキ屋に向かうのだった。
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弥生 - 今まで読んだアイナナの男主の中で、一番面白かったです。 (2021年9月20日 20時) (
レス) id: a8e691c982 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» コメントありがとうございます！随分前のお知らせでしたので困惑させてしまいましたね、すみません(^^; 更新待っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年2月1日 18時) (レス) id: 137c45cd89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 間違えました！！！！ですけどまた更新待ってます (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 来年の三月まで待ってます！！ (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 早く続きが読みたいです！お願い致します (2020年4月22日 11時) (レス) id: 9df39f7e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2016年5月8日 12時
