アシスタント３７ ページ39
事務所に戻り、そこからは作業が再始動した。
難しいことは何も無い。
乱数さんは特に質問して来なかったし、私も特に何かを訊かなかった。
……これでいい。
これが正解だ。
他人との距離感は、近過ぎず離れ過ぎずが一番なんだ。
じゃないと……失望する。
勝手に期待して、勝手に絶望してしまう。
私が"あの人"にしたみたいに。
「A！」
『！！な、なんですか……？』
「手元、狂ってるよ？」
『……え？』
あ、本当だ。
任されていたのは仮縫い。
だからこんなミス、そこまで大きく響くようなことじゃない……けど。
何がこんなにモヤモヤするんだろう。
「Aもしかして調子悪い？さっきから顔色もおかしいよ？」
乱数さんの手が首に触れる。
心臓がドキリと揺らいだ。
なに？
なんだろう？
___怖い。
『っ……』
「！」
思わず振り払って唖然とする。
だけど、目の前の乱数さんは、もっと呆然としていた。
細く、柔らかい手が、静かに後ろに下がる。
「わぁ〜ごめんねっ！急に触れたらビックリだよね。でもでもっ、体調管理はちゃんとしなきゃメッだよ！」
『……そう、ですね。調子、悪いかもです』
気を遣わせてしまった。
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黒羽ひみと(プロフ) - アスカさん» 本当ですね汗。教えていただきありがとうございます！直しておきます。 (2019年10月5日 14時) (
レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - すみません。27話から一気に30話になってますよ。 (2019年10月5日 0時) (レス) id: 1b47d3033b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒羽ひみと | 作成日時：2019年8月16日 9時
