【刀剣乱舞】その審神者、仕事中毒により。

25.反対する者 ページ25

「……あなたが昨日来られたという人間ですな」

「お初にお目にかかります。挨拶が遅れましたね、察しの通り昨日審神者として遣わされました。弟たちの怪我の具合はどうでしたか？」

「知っておられたのか……それはもうすっかり、傷一つありません」


内容の明るさとは裏腹に、一期は全くすっきりしていない表情を浮かべている。

左手で鞘を握り、右手は今にも抜刀の構えをしながら、一期は右足を前に突き出した。


「私は恐らくあなたに感謝をすべきなのでしょうな。だが難しそうだ。あなたを見ると憎くて憎くて堪らない前任を思い出す。今すぐその首を切ってしまいたい」

「……昨日私は、そこの三日月に命の保証はしてもいいって、言われたんですけどね」


鋭い眼光と殺気を飛ばす一期を見て、三日月を窺った。彼は首を横に振る。


「いやなんだ。反対する者も少なからずこの本丸には存在する。一期一振はそのひとりというだけよ」

「むしろ肯定派の方が少なかった。と、お教えしておきましょうか」


まぁそうでしょうね。

肯定派が多かったら、今頃三日月と一期以外の顔も見ているはずだ。

遠くから、チラホラと様子を窺いにくる刀剣男士の気配も幾振りか確認しているものの、一向に姿は見せない。


仕方なく三日月から視点を動かして、改めて一期と向き合った。

一期もこちらを刺すように睨み付けている。



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