【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

08.愛 ページ8

キョトンとした顔の乱数ちゃんの目を見つめる。


何を考えてるんだろう。

中身の見えない乱数ちゃん。

言葉のほとんどが空っぽ。


でも……。

本当に時々、その言葉は悲しく聞こえる。


「オネーさんは欲が少ないんだねっ。じゃあオネーさんの笑顔のために、これからも一緒にいよっ」

「……うん」


隠れちゃったな。


嘘を吐いてることを分かった上で、その人を信じることが出来るか。

愛することが出来るか。


私は出来る。


乱数ちゃんを愛することは怖くない。

多少の寂しさはあっても、愛されないことを嘆いたりはしない。


乱数ちゃんが私を好きでも、好きじゃなくても。

私の愛は本物。

好きになって欲しい。

でも、私を好きになるかならないかは、乱数ちゃん次第で、私が決めることじゃない。


「乱数ちゃん、好きだよ」

「僕もオネーさんのこと、大好きだよっ」


___じゃあ今から君はオネーさんだっ。

___そんな所にいると埋もれちゃうよっ！一緒にシブヤを見て回ろうよっ、オネーさんっ。


あの日、光の中に連れて行ってくれたから。

私以外のオネーさんがどれだけ乱数ちゃんから離れていったとしても。

乱数ちゃんが私を求めていなくても。


私は乱数ちゃんの側にいたい。

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