【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

05.嬉しい ページ5

ブルりと身体が震える。


く、くるっ……！！


「……っ〜！！」


そう、ジェットコースター。

私は特別苦手なわけではないけど、やっぱり落ちるときは怖い。

でも目は閉じない。

だって乱数ちゃんと見れる景色だもん。

見逃したくなんかない。


ジェットコースターのスピードが緩やかになってきたところで、ため息を零す。


「あはっオネーさん怖かったっ？」

「少し、ね。乱数ちゃんは？」

「僕はオネーさんが一緒だから、楽しかったよっ」


乱数ちゃん……！


「嬉しい」

「えへへっ」


誰よりも大好きな乱数ちゃんと遊園地。

夢みたい。

周りはカップルだらけで、私たちの関係は歪んでる。

それでも、隣にいられるなら……。


「早い乗り物は疲れちゃうねっ。あ！見て見てっコーヒーカップだよっ」

「コーヒーカップも早く回したら疲れちゃうよ」

「え〜？オネーさんと乗るなら僕、ゆっくりがいいなっ。その方が、見つめ合えるよっ」

「そ、そうだね。じゃあ、乗ろうか」


し、心臓に悪い。


時々乱数ちゃんは、ドキドキさせに来る。

本人に自覚があるのかは分からないけど、恥ずかしい。

それに、乱数ちゃんをちゃんと見るのも苦手なのに、見つめられる……？

見つめ合う？


乗ろうって言ったけど無理だよ〜……！


▽作者▽

今までこんな純粋な少女を手掛けたことがあっただろうか。話も甘々でいきます。
途中から天と地がひっくり返るので、そこまでどうかお付き合い。

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