34.欲望 ページ34
一度自分で閉めた扉を思いっきり開いて、甲高い声を出した。
「ごっめ〜ん!閉めちゃった。でもでも、僕の話無視する二人が悪いんだよっプンプン!」
部屋を見るとやけに距離の近い幻太郎が目に入って、嫌な気持ちが広がる。
なんか今日は上手くいかない。
寂雷に会った時みたいな気分だ。
「乱数ちゃん!」
フワッと飛び込んでくるAに、ちょっと驚いた。
え、なーにっ。
「心配した。大丈夫?」
「…………あっは。A焦っちゃってかわいっ」
「あれ、いつも通りの乱数ちゃんだ……」
あっぶな。
口付けしそうになった。
___望んだらもらえて、望まなきゃもらえないものなら、私は要らない。
望まれて、ならどうなんだろ。
ってそうじゃなくって。
「幻太郎、帝統、本来の目的に戻るよっ」
「あぁそういえばそんな話でした」
グイグイと、二人を部屋から追いやる。
Aはいつも通りベッドに座らせて、振り返った。
「じゃ、Aは待っててねっ」
扉を閉じて、ようやく平常心が戻った。
こんなの僕らしくない。
「鈍感な少女が相手だと大変ですね」
「えっ?」
「えって……まさか乱数」
相手、何の相手?
「彼女のことどう思ってるんです?」
「Aは僕の大好きなオネーさんだよっ?」
あの子自身がそう言ってたし。
「小生頭が痛くなってきました……」
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黒羽ひみと(プロフ) - みかさん» みかさん、コメントありがとうございます!完結させたのはかなり前なのですが、いまでも見つけて愛してくれる読者がいて嬉しいです。お気に入り登録もありがとうございました! (2022年8月6日 23時) (レス) id: eaec3a59f0 (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - 久しぶりに夢小説で泣きました、、とても心を揺さぶられるお話でとても感動しました!迷わずお気に入り登録です! (2022年8月6日 0時) (レス) @page50 id: 668d506369 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - おかしいな?デスソース飲んでるのにめっちゃ甘いわ。その後に飴玉(ソーダ味)舐めたから味のパラダイスだわ (2021年2月24日 20時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - まもやろたおさん» ありがとうございます!完結したあとでも愛してもらえて嬉しいですっ。 (2020年4月20日 22時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
まもやろたお - 年甲斐もなく号泣してしまいました…この作品大好きです! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 3edb1e3d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2018年10月22日 10時