【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

32.変化 ページ32

ドンドンと扉を叩く音が鳴り響く。


「おーい乱数？何でここ閉めたんだよ！」

「これではまるで行為をしないと出られない部屋のようですね」


乱数ちゃん……。

私、この二人とまだ上手く話せないよ……？


「仕方がありません。乱数の気がすむまでここは一つ小生の話を」

「そんなこと言ってる場合か？つーか幻太郎、お前が反省する素振り見せないからだろ！」

「ひ、酷い。帝統は小生のせいだと言うのですか、およおよ……というかあなたも俺のせいじゃないって認めてなかったでしょう」


いや、無理。

この漫才なのか本気なのか分からない雰囲気についていけない。

基本、夢野さんが荒らしてるように見えるけど、有栖川さんも天然で荒らしてたし……。


「あ、そういやお前」

「！！」

「すごい動揺の仕方ですね」


きゅ、急に話し掛けないで。

そこ二人で会話してたじゃん。

というか、乱数ちゃんがいないのにどうやって舌を回せば。


「この前は金ありがとな。助かったぜ」


とりあえず頭を縦に振る。


「ふっ」


それを見て、隣に座る夢野さんが笑った。

いつの間に隣に腰掛けたんだろう。


「あなたも乱数も、お互いが一緒にいる時といない時で随分変わりますね」


……この人は人間観察を趣味にでもしてるのかな。

33.プライド→←31.不思議

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す