【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

26.愛していたい ページ26

信頼、なんて言葉は無縁だと思っていた。


みんな敵。

家族だってそう。

上手く話せた経験が無いの。


「おいで、乱数ちゃん」


おしゃべりは苦手。

嘘を吐けないから。


___分からないよ……！何で……何を考えてるの。あなたみたいな有名人が、私なんかと……。


虚栄を張ったことがある。

途中恐くなって、その手を振り払った。


___うーん、僕は本当にオネーさんと居られればそれで良いんだけどなっ。

___私みたいに、ちゃんと話すことの出来ない子、本当は面倒だって思ってるんでしょ……！


疑心暗鬼に駆られて、いっそ嫌われたくて。


___オネーさんはオネーさんだよっ。それにちゃんと話せてるよ。


周りが何を考えてるのか、私には分からなくて。

自分が何をしたいのかも分からなかった。


___嫌じゃ、無いの。

___全っ然。だってさっきのオネーさんの笑顔、すっごく可愛かったからねっ。


信じたいのに、信じられなくて……。


___信じて、良いの。

___それを決めるのは僕じゃないよっ。何にしたって、誰かに許可をもらう必要は無いんだよ。


例え、乱数ちゃんが誰かを信じていなくても。

私を信じていなくても。


___オネーさんは、オネーさんのしたいことをすれば良いんだからさっ。


私は乱数ちゃんを信じて愛していたい。

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