【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

16.危険 ページ16

空は星が点々と輝いていた。


明日は、乱数ちゃんと会える。

そんな期待に胸を踊らせた仕事の帰り道。


「やっぱ___オネーさん___た」


あれ、この声。

周りを見渡すけど、この道に人はいない。


「うんっ。それはもちろん___だよっ」


もしかして、この店の死角に？


「あっはは。分かってるって〜」


いつも通りの話し声。


気付くと足が向いていた。

足音を立てないで、そっと近付けるところまで近付いて声を聞く。


心臓は大きく音を立てていた。

危険だと。


「うん。うん……あぁ、そのことも心配は無い」


！？


……なに？

乱数、ちゃん？


「夢野幻太郎、有栖川帝統、俺の仲間も特に気付いた節は無い。望み通り上手くいくだろう」


低い。

それに、夢野幻太郎？有栖川帝統？


それって……。


「じゃっ！そーいうことだからねっ無花果オネーさんっ。あとはよろし……」


あ。


死角から出てきた乱数ちゃんと目が合う。

私が聞いていたことは、明確だった思う。


「……あぁ、なんでもないっ！あとはよろしくねっ。僕も、滞りの無いよう手を尽くす」


滞りの、無いよう……？


……どうしたらいい？

逃げる？

なんで？

相手は乱数ちゃんだよ？

乱数ちゃんなのに……。


恐い。


「乱数、ちゃん……」

「……オネーさんの人、か。残念だなぁ。でも、しょうがないよねっ」


！！

ヒプノシスマイク……！


「オネーさんにだけ特別なリリックをプレゼントっ」

17.恐怖→←15.勇気

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す