【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

14.同情 ページ14

なんだろうこの状況。

……餌付け？


「マジ神。今日だけでも生きていける……！」


明日も生きて。


話を聞くと、どうやら金欠みたいだった。

それで、今日食べ損ねた昼ご飯をあげた。

お腹も減ってなかったし。


「お前良い奴だな！」


……良い奴か。

それなら、よく知らない私を励まそうとしてくれたあなたの方が良い人だと思うな。

死ぬわけじゃない。

うん、確かにそう。


……あなたを見てるとそう思えてくる、本気で。


「けど明日からどーすっかなぁ……乱数のとこにでも土下座すれば食わせてくれっかな」

「乱数ちゃん……？」


思わずその名を繰り返してしまう。

知り合い？


「お前もやっぱ知ってんのな、飴村乱数。有名だもんなー。って思ったらヤバい気がしてきた……転がり込むなら幻太郎の方にするか」


幻太郎。

夢野幻太郎……？


まさか。


なんかこの人と話すの楽かも。

難しいこと考えない感じ。

状況は難しいけど……。

どうにかなりそうな気がする。


「5000くらいならあげますよ」

「…………え」


えって。


「金欠、なんですよね……？」

「い、いや！それは悪ぃだろ！？初めて会ったやつに……しかも女に、なぁ」


そうは言いながらも、手が財布の入ったポケットに寄っていた。

体は素直。

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