【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

13.心配 ページ13

公園のベンチに腰掛けて、乱数ちゃんからもらった飴玉をクルクルと回す。


中途半端。


私は乱数ちゃんを受け入れようとしている。

全てを受け入れたい。


それは誰のため？

乱数ちゃんのため？


たぶん違う。

自分のため。

近付くのが恐いんだ。

だから、乱数ちゃんの性格を理由に逃げている。


……なんて、乱数ちゃんに会えたら忘れられるのに。


乱数ちゃんと会っていない。

会いたい。


会いたくて会いたくて仕方が無い。


「はぁー」

「はぁ」


…………ん？


今、誰かと……？

顔を上げると、その人と目が合った。

何でかその人は崩れ落ちるように膝をついていて、財布を握り締めていた。


「おぉ！？全っ然気付かなかった！」


うっ。

こんな普通に座ってるだけなのに気付かれない……。

やっぱ私影薄いんだなぁ。


「あーいやぁ、なんつーか……何があったかは知らねぇけど元気出せよ！死ぬわけじゃねぇんだし」

「？」

「あれ？今ため息ついてたよな？」


あ、あぁ、それやっぱ聞こえてたんだ。

そうだよね、結構大きくついちゃったから……。


うわ、それで励まされるって恥ずかしい。


「……あなた、は？」

「ん、俺か？まー俺もたぶん……いや、死ぬ。俺は死ぬ」


大丈夫かなこの人。

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