12.呆れ ページ12
シブヤに一人残されたとき、人混みが恐くて震えていた。
そんな私に乱数ちゃんは話しかけて、引っ張ってくれた。
色んなところに連れて行ってくれた。
初め女の子だと思っていたこともあったけど、乱数ちゃんとは話せる。
恐くない。
乱数ちゃんといるときだけは、素直に笑える。
ちゃんと話せる。
乱数ちゃんは、そこにいるだけで私の支えなの。
だから……。
「私の気持ちを、ネタとして見られるのは嫌、です……」
妥協は出来ない。
この気持ちは誰かに見せびらかすものじゃないし、語り継げるものじゃない。
私の中で、育てていく、築き上げていくものだから。
「……綺麗ですね」
「え」
「物書きとしては、少々残念なところではありますが、その気持ちが知れただけでも充分です」
残念、か。
そう言われると少し申し訳ない気もしてくる。
「これは小生の名刺です。電話番号と住所が書いてあるので、もし気が向いたら他の話でも良いので聞かせてください」
……こ、じんじょうほう！？
私みたいな知らない人に！？
いや、乱数ちゃんも結構初めから教えてきた……。
シブヤはこれが普通……？
「あ、名乗り遅れましたが、小生の名前は有栖川帝統です。それではまた何れ」
有栖川帝統……。
初めて会ったのにも関わらず、離れていくその背中に呆れた視線を向けてしまう。
渡された名刺には、夢野幻太郎と書かれていた。
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黒羽ひみと(プロフ) - みかさん» みかさん、コメントありがとうございます！完結させたのはかなり前なのですが、いまでも見つけて愛してくれる読者がいて嬉しいです。お気に入り登録もありがとうございました！ (2022年8月6日 23時) (
レス) id: eaec3a59f0 (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - 久しぶりに夢小説で泣きました、、とても心を揺さぶられるお話でとても感動しました！迷わずお気に入り登録です！ (2022年8月6日 0時) (レス) @page50 id: 668d506369 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - おかしいな?デスソース飲んでるのにめっちゃ甘いわ。その後に飴玉（ソーダ味)舐めたから味のパラダイスだわ (2021年2月24日 20時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - まもやろたおさん» ありがとうございます！完結したあとでも愛してもらえて嬉しいですっ。 (2020年4月20日 22時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
まもやろたお - 年甲斐もなく号泣してしまいました…この作品大好きです！ (2020年4月20日 21時) (レス) id: 3edb1e3d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒羽ひみと | 作成日時：2018年10月22日 10時
